2017年9月26日火曜日

「ダメ」の重み


おいらは天才GSだから、父ちゃんと母ちゃんに叱られても、本気で怒っているのか、からかってるのか、半分本気だけど誤魔化せちゃう隙があるのかわかっちゃうんだ。

おいらの家ではご飯でもおやつでも、目の前に置かれてもすぐに食べたらいけないっていうルールがあるんだ。
父ちゃんか母ちゃんが「食べていいよ」って言うまでは絶対に食べちゃダメなんだ。


おいら、小さい頃は父ちゃんと母ちゃんの意地悪だと思ってたんだけど、今はちゃんとわかってる。おいらみたいな大きな犬がドッグランで小さな子のおやつを力づくで奪ったら大変なことになるじゃん。だから歯を使う行為は徹底的にコントロールされているんだって。

大型犬はぬいぐるみじゃないから、ちゃんと躾けなかったらただの獣だ。父ちゃんと母ちゃんはおいらのことだけじゃなくて、社会に対する責任っていうことも考えなくちゃならない。飼い主と犬だけの問題じゃ済まない事態だってあるだろ。そんなことになったら、おいらにとっても命取りだもんな。
だから、父ちゃんと母ちゃんの許可がない限り、おいらは何も食べることはできないんだ。


でも、今日の父ちゃんはすごく機嫌がよかったんだ。
ササミジャーキーを目の前に置かれて、いつものように「待て」って言われても、無視して食べちゃったって、きっと父ちゃんは「全く、お前は~」って目尻を下げて許してくれると思っちゃったんだ。

うまいことに、父ちゃんに「待て」って言われたすぐ後に電話がかかってきた。
鮭釣りの打ち合わせだなって、おいらにはすぐわかった。
父ちゃんは見てない。
電話が終わったらきっと父ちゃんはおいらを待たせていたことも忘れてるさ。
覚えていたとしても、父ちゃんは釣り具の支度で忙しくなるからおいらを叱ってる時間はないよな。
だから、おいらはサクッと食べちゃったんだ。

けど、電話が終わってササミジャーキーがないことに気がついた父ちゃんの目は本気だった。
おいら、間違っちゃったみたいだ。


おいらの父ちゃんはどんなに小さなことでも、物事の原理原則に反することは許してくれないんだった。

おいらみたいな大きな犬は「ダメ」の重みを知らないと、いつかセーブできなくなる日が来る。そして、その重みを持たない飼い主を尊敬したりしない。おいらたちは飼い主を尊敬することに幸せと安心を感じるから、尊敬できる飼い主を持たない犬に幸せと安心は訪れないんだ。

つまり、怖い父ちゃんと母ちゃんを持ったおいらはきっと幸せなんだ。
そう自分に言い聞かせて、ちょっくら叱られてくるわ。








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