おいらの母ちゃんが毒キノコみたいになってるんだ。
おいらの母ちゃんはいろいろなものにアレルギー反応する人。
ほこりに過敏に反応して咳が止まらなくなるし、海で穫れた蟹を生で食べると死ぬらしい。
鉄板焼きのお店でもやしを炒めて黒胡椒を振ってフランベすると、湯気の向こうで母ちゃんがバナナマンの日村さんに変身する。熱した黒胡椒に反応するんだ。
生まれて初めて食べる海の食材には大概反応するから、カナダに来たばかりの頃は地元の海産物が食べられなかった。
今では慣れて、大概のものは食べられるようになったから油断してたんだな。
父ちゃんが釣ってくるニシンが美味しくて、刺身で食べるとご飯が何杯でも食べられるんだって。
父ちゃんも母ちゃんを喜ばせたくて、朝4時に起きて一生懸命釣ってきたんだ。
毎日毎日ニシンの刺身を食べて4日目。
母ちゃんは身体中がチリチリ痒いことに気がついた。
冬は乾燥するからね。
ボディローションでもつけておこうか。
おいらの母ちゃんはどこまでもおめでたい。
それは5日目の夜だった。
左腕と両太ももが痒くて痒くて、ぐわーっと掻いていたと思ったら、母ちゃんが悲鳴をあげた。
全身にじんましんの花が真っ赤に咲いていたんだ。
慌てて抗ヒスタミン剤を飲んで事無きを得たんだけど、あのまま放っておいたら、じんましんは腸や喉の内側にもできて、腸閉塞や呼吸困難を起こして命に関わるんだってさ。
実はおいらたち動物にも当然アレルギー反応はあって、おいらの家の先代犬は、父ちゃんがぽろっと床に落としたアーモンドクッキーの小さな欠片を舐めて死にかけたことがある。
犬なのに、明らかに冷汗をかいている顔をするらしい。
おいらの飯は母ちゃんが作ってくれるんだけど、材料は季節によっていろいろ変わる。
おいらが食べたことがない食材を使う時は結構注意して観察してくれる。
特に穀物と魚の種類が変わる時は要注意だよ。
咳が出たり、発疹が出たり、顔が腫れたり、体が震えだしたり、アレルギーの初期症状にはいろいろある。
初めてのものを食べて24時間以内に上記の症状が出たら、まずはアレルギーを疑ってくれよな。すぐに病院に行って、抗ヒスタミン剤を注射してもらい、アレルギーの原因を突き止めるんだ。
現在のアレルギーの治療は昔と違って、原因となる食物を一切摂らないということはしないらしい。アレルギー食材を劇症にならない程度に摂取して体内に抗体を作るという治療方法が徐々に浸透してきているらしいけど、これは獣医さんがちゃんと診てくれている中で行わないといけないよ。素人ではアナフィラキシーショックが現れた時に対応できないからな。
にほんブログ村
人気ブログランキング
当ブログはリンクフリーですが、無断転載および無断利用を固くお断りします。
All copyrights 2017 are reserved in Asunaro Taro
にほんブログ村 ブロトピ:ブロトピ投稿でアクセスアップ‼ ブロトピ:相互アクセスアップの仲間を探しています。
0 件のコメント:
コメントを投稿