2016年9月13日火曜日

希望の扉


昨日、おいらは車に乗ってドライブに行ったんだ。
1時間ちょっと車に乗って降りた先は

あー!おいら、ここ知ってるー!

SPCA(動物虐待防止団体)の、とあるブランチ。
車から降りたおいらは、一目散にSPCAのドアに走っていったんだ。

おいらがまだ4ヶ月の赤ちゃんだった頃
バンクーバーのアパートに餌も水も与えられずに閉じ込められていたところを
SPCAの職員に救出してもらったんだ。
そして、やっぱり車に乗せられて、気がついたらこのドアをくぐってたんだっけ。
ドアをくぐると、みんながおいらに優しくしてくれてさ
ご飯もくれて、ボランティアの人が散歩もさせてくれたんだ。


助かった・・・ また、生きられる。


このドアをくぐったおいらたちはみんなそう思うんだ。
このドアはおいらたちには希望へと続くドアだったんだ。
そしてこのドアを出る時、それはおいらたちに新しい未来が約束されたということなんだ。

あれ!お前、あの時の!
わー!お前も今日来たのか?
うわっ!こいつもいるじゃん!

見覚えのある顔がいっぱいいた。

そうなんだ。
昨日SPCAのPaws for a Cause - Walk to Fight Animal Cruelty
動物虐待に反対する人たちが飼い犬と一緒に歩くっていうイベントがあって
おいらも父ちゃんと母ちゃんと一緒に参加したんだ。
誘ってくれたのはおいらの許嫁オールジーちゃんの母ちゃんで
昨日は、実はおいらとオールジーちゃんのお見合いでもあったんだ。
オールジーちゃんもおいらと同じくSPCAの出身で
このドアから巣立って幸せになった同志なんだぜ。
おいらとオールジーちゃんのお見合いの様子は別記事で特集組むから楽しみに待ってろよ。

会場に着くと、SPCAのハンサムなお兄さんが母ちゃんに話しかけてきた。

登録は済んでいますか?

はい、オンラインで登録してあります。

この犬はSPCAの出身ですか?

はい、そうです。

名前は?

タローです。でも、ここにいた時の名前は・・・

母ちゃんがおいらの昔の名前を言うと、そのお兄さんは



ああ!あの子でしたか!



大きくなって!
おーい!みんなあの子が来てるぞ!


お兄さんの掛け声で、職員の人たちがたくさんおいらの周りに集まってきたんだ。

がはははは、おいら人気者。
ここを巣立って10ヶ月も経つのに、みんながおいらを覚えてくれてる。
しかも、おいらはここに1週間しかいなかったんだぜ。

1人の職員が走ってきた。

きゃー!Mr. Troubleがこんなに大きくなって!

わー!それは言わない約束だろ!
ばらすんじゃねーよー。


母ちゃんの心の声が聞こえた。

Mr. Troubleだって・・・。
GSは大変だってわかっていたけど、通りでこの子は普通の大変さじゃなかったわけだ。
ナーバスな状況の犬たちを救助する現場の人たちがそう言うくらいだから
やっぱり、並外れてやんちゃなわけだわ。

なあ、母ちゃん・・・
おいらのこと、このまま返品するなんてことはないよな?
おいら、最近まあまあいい子だよな?
母ちゃん、おいらのことまだ好きだよな?な?な?









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