2016年4月30日土曜日

もやしケーキ


「タロー、お前もうすぐ10ヶ月になるんだね。
早いもんだねー。
母ちゃんも年を取るわけだ。」

いやいや、おいらが来た時には、母ちゃん既にいい年だったろ?
おいらのせいにするなよな!

「10ヶ月は節目だからね。
お祝いしなくちゃね!
ほーら、ケーキだよ。
お前が好きなまぁるいの。



わーーーい!

ろうそくもいっぱい立ってるね!
100歳までも、いやいや200歳までもおいらに生きろってことかな?



でもさ・・・母ちゃん・・・
このケーキ、おいらが知ってるのとちょっと違うぞ。
臭いも違う。
あんまり、食べたいって気がしないんだけど・・・。





これってさ・・・
もしかして、もやしってやつじゃないの?


ペット(犬) ブログランキングへ

2016年4月29日金曜日

キックのその後


昨日母ちゃんに蹴られてから、おいらはずっと母ちゃんの傍にくっついて離れなかったんだ。

母ちゃん、まだおいらのこと好きかなー?



見上げる度に、母ちゃんはおいらの頭を優しく撫でてくれるんだけど
やっぱ、蹴られたショックは大きくてさ
このまま母ちゃんがおいらの前からいなくなっちゃったらどうしよう?
って、そればっかり考えてたんだ。

よくおいらたち犬の記憶力は5秒間しかもたないっていうだろ。
あれね、半分本当で、半分うそ。
なんで蹴られたのかは5秒で忘れるけど
蹴られたという事実はずっと覚えてる。
そして、それが犬にとって理不尽な暴力だった場合
恨みという感情になって、ずっと残る。
犬の性格によっては、仕返しの機会を伺うんだ。
犬は人間が思うより、ずっとずっとセンシティブな動物なんだぜ。
だから、おいらたち犬を暴力や恐怖で支配しようとしたら
目先は簡単だけど、忘れた頃に手痛いしっぺ返しを食うことだってあるんだよ。
おいらのような大型犬が人と1対1で対峙したら、絶対的に犬が勝つ。
だから、人と犬の健全な共生のためには、犬に暴力をふるってはいけないんだ。

「お前が傷ついているのは、母ちゃん、よくわかってるよ。
いつか仕返ししたっていいぞ。
けどな、あのままお前がCodyを攻撃して、怪我させたり、死なせちゃったりしたら
贅沢に傷ついてなんかいられないんだよ。
お前、今頃殺されてるんだから。
母ちゃんは、お前を家族として迎えた以上
お前の命にも、社会に対しても責任があるんだよ。
人や他の動物を絶対に危険な目に遭わせられないんだよ。

それから、おいらは母ちゃんとCodyのところに謝りに行ったんだ。



兄貴、昨日は調子に乗ってすみませんでした。


「ごめんなさい フリー素材」の画像検索結果




あー?何のことだ?

まだ、おいらの兄貴でいてくれますか?

あったりまえじゃねーかー。

これが、本当に強くて立派な犬ってもんなんだな。


おいらの幸せはここにあるんだね。
それを守るために、母ちゃんはおいらを蹴ったんだね。
おいらは知ってるよ。
母ちゃんは2度とおいらを蹴らないって。




ペット(犬) ブログランキングへ

2016年4月28日木曜日

母ちゃんのキック


熊本の地震以降、おいらの母ちゃんの仕事がものすごく忙しくなっちまって、おいらをあんまり構ってくれなくなっちまったんだ。
ダメダメな母ちゃんだろ?

おいらは淋しくて母ちゃんの周りをついて回って、時々、靴下を齧ってみたり、ズボンの裾を引っ張ってみたりして一生懸命母ちゃんの気を引こうとしたんだけど、母ちゃんは「ごめんね」って言うばかりで、やっぱり構ってくれないんだ。

でね、おいらを不憫に思った父ちゃんが豚の腿の骨を買ってきてくれたんだ。
これを圧力鍋で煮て、少し骨が柔らかくなって来たらおいらの出番よ。
野生に帰ってむしゃぶりつくわけ。

ところがね、生肉とか動物の骨が持つ血生臭さってやつがおいらの眠っていたDNAを呼び覚ますもんだから、もう、無敵の狼になっちまうんだ。

やっと、母ちゃんの仕事が一段落着いてCodyの兄貴のところに連れて行ってもらったんだけど、おいらの攻撃力が凄まじくて

キャイーーーン

って、兄貴が悲鳴を上げたんだ。

こんなことは初めてのこと。

おいらは更に調子に乗って、兄貴の首に噛み付いたんだ。
そして、兄貴の耳元で囁いた。

これからはおいらが兄貴だ。わかったか?





この優越感が、おいらの更に奥に眠っていた古代のDNAを呼び覚ましちまったもんだから、もう大変よ。
兄貴の首をくわえたまま、おいらは自分の首を左右に大きく振ろうとしちまったんだ。
狼が『獲物の息の根を止める』時の行動さ。

その時だった。





ズッコーーーン!!!


「爆発 素材」の画像検索結果




おいらの顔面で炸裂する爆音と衝撃。

おいらは何が起こったのか暫くわからなくて
くわえていた兄貴の首を放して、呆然と立ち尽くしたんだ。

母ちゃんの回し蹴りが、おいらの顔にきれいに決まったんだとわかった時には
別のショックで、おいらはまたまた呆然としたさ。
だっておいらは、父ちゃんからも母ちゃんからも蹴られたりしたことなんかなかったんだから。

なんで?なんで?
なんで母ちゃん、おいらを蹴ったの?
しかも、本気で・・・。
おいら、どんな悪いことをしたって言うんだよ。

「人間界で生きていく犬が、人や他の動物を攻撃したら、すぐに殺されちゃうんだよ。
遊びの領域を超えた攻撃をするようになったら、母ちゃんはお前の命を守るために、これからも蹴るし、ぶつよ!
お前に噛み殺されったって、蹴るよ!覚悟しな!」

ちぇっ・・・。
母ちゃんを噛み殺しちゃったら、飯もらえないじゃん。

「それにね、Codyは今まで、どれだけお前に良くしてくれた?
初めはCodyの方がよっぽど強かっただろ?
それでも、Codyはお前に酷いことはしなかったよ。
それが、本当に強い犬っていうもんなんだよ。」

ふぅーん、そうなのか・・・。
おいら、難しいことはよくわからないから
ちっと、骨でも齧って考えてみるわ。

金輪際、お前に骨はあげません!



おいらは相当悪いことをしでかしちまったようだ・・・。





ペット(犬) ブログランキングへ

2016年4月21日木曜日

新聞デビューだ!


全世界の皆さん、こんにちわ!

明日、おいらは新聞デビューを果たすんだ!
バンクーバー新報4月21日号だぞ!

みんな、ちゃんと買って読んでくれよな。
おいらのスクープ映像がいっぱい出てるからな!

バックナンバー待ちなんて、シケたこと言うなよ!

by 斉藤 光一氏


ペット(犬) ブログランキングへ

2016年4月20日水曜日

救助犬タロー


日本の熊本で大きな地震があったね。
被災地の皆様には、おいら心からお見舞い申し上げたい。

by 斉藤 光一氏

TVで救助犬として活躍しているGSを見たよ。

おいらも頑張らなくちゃイカン!

そう思ったんだ。

そうしたら、チャンスは意外に早くやって来た。

今朝、父ちゃんと朝の散歩の途中でね
心細そうにウロウロしているお爺ちゃんを見たんだ。
おいらたちGSっていうのは、人間の心の動きに敏感でさ
特に、不安とか、怒りとか、悲しみっていうネガティブな感情に結構反応するんだ。
で、そのお爺ちゃんの不安がおいらに伝わってきたんだけど
おいらはお爺ちゃんと言葉が通じないし
どうしてあげたらいいかわからないだろ?
だから、言葉が通じる父ちゃんに言ったんだ。

あのお爺ちゃん、おうちに帰れなくなっちゃったみたいだよ。

「そうだな、2人で手伝っておうちまで送っていってあげような。」

父ちゃんが、その中国人のお爺ちゃんに話しかけたら
おいらが思った通り、お爺ちゃんは帰り道がわからなくなっちゃってたんだ。
聞いても、住所も電話番号もわからない。
どっちの方角かもわからない。

「家の近くの目印になる建物を思い出せるかな?」

いいぞ、父ちゃん、ナイスな質問だ。

お爺ちゃんは思い出せる限りの目印を教えてくれて
どうも、お爺ちゃんの家は、父ちゃんの仲良しのヤンさんの家の近くらしいということがわかった。
ヤンさんは自宅で美味しいワインを作っていて
おいらの父ちゃんと母ちゃんが作る野菜と時々交換しているから
おいら、ヤンさんの匂いも家も知ってるんだ。
で、父ちゃんとおいらでヤンさんの家の方向にお爺ちゃんを連れて行ったんだ。
そしたらね、お爺ちゃん、途中で家を思い出したみたい。
本当は、家まで連れて行って、おうちの人にも確認した方がいいって
父ちゃんもちゃんとわかってるんだけど
中国の人たちは、用心のために、知らない人に自宅を教えないっていうのが一般的なんだ。
だから、おいらたちはそこでお爺ちゃんを見送って
また、ウロウロしないか、しばらく外で待ってたんだ。
もちろん、お爺ちゃんは出てこなかった。
無事におうちに帰れたんだね。

「タロー、お前立派な救助犬だな。」

あたぼーよー。

「父ちゃんがおうちに帰れなくなっちゃったら、その時も助けてくれるか?」

by 斉藤 光一氏


さーて、どーすっかなー?


ペット(犬) ブログランキングへ

2016年4月18日月曜日

ミステリー


朝8時、おいらの母ちゃんがお庭で水撒きしていたら
白人のおねーさんが、血相変えて母ちゃんに話しかけてきた。
おいらも見たことあるけど、知らない人。

Cody来てる?

「いえ、来てませんよ。
Codyがどうかしたんですか?」

おねーさんがCodyの家を指さした。
母ちゃんの血相も変わった。

Codyの家の木製フェンスが大きく破られていて、庭にCodyの姿が見えない。

誰が見ても

兄貴、やっちまったなーな景色。

「オーマイガー イラスト」の画像検索結果

Codyの家の前は住宅地の車道。
そこから20mも行くと、バンクーバーエリア有数の幹線道路。
いかにおいらの兄貴でも、パッと飛び出したら、1秒で終わり。

どうも、そのおねーさんはCodyの母ちゃんのお友達で
たまたま自転車で通りかかったら
Codyの家のフェンスが壊れてて、この時間いつもいるはずのCodyの姿がない!
そこでおねーさんは、すぐにCodyの母ちゃんに電話して知らせたんだ。
けど、医療系科学者としてバンクーバー周辺を忙しく駆け回っているCodyの母ちゃんは
その時、家から車で1時間のSurreyっていう街にいて、すぐには帰って来られない。
ってな訳で、おねーさんは自転車で、おいらの父ちゃんと母ちゃんは車で
Codyを探そうってことになったんだ。

で、こういう時に冷静なのがおいらの父ちゃん。
「犬はふらっと出て行っても、大概家に帰って来るから、先にCodyの庭を確認してみよう。」

おいらの父ちゃんと母ちゃんは、Codyの庭に向かって大きな声で
「Cody! Cody! Come on!」って何度も呼んでみたんだ。
そしたらさ、なんと、家の中からCodyの姉ちゃんが出てきてさ
「どうしたの?Codyなら家にいるよ。」って言うんだよ。

みんなに広がる安堵感。
けど、Codyの姉ちゃんはド派手に壊れたフェンスを見て真っ青。
そこで、元大工のおいらの父ちゃんの出番さ。
Codyの兄貴がまた元気に走り回れるように修理してあげたんだ。

めでたし、めでたしの話だろ?

けどな、天才GSのおいらはちょっと変だと思うんだ。

おいら、慌ててて写真を撮るのを忘れちまったんだけど
フェンスは明らかに庭の内側からの力で壊されていたんだよな。
壊れたフェンスの材料が庭の外側に散らばっていたんだもん。
けど、Codyの兄貴はずっと家の中にいたんだよな。


じゃあ、誰がフェンスを壊したんだよ?


by 斉藤 光一氏




ペット(犬) ブログランキングへ

2016年4月16日土曜日

タロー先生のありがたい講釈 その3


一昨日ね、母ちゃんのお友達の玲子さんって人が来てくれたんだ。

玲子さんは、毎年春から夏の季節にバンクーバーに来て
人生にとって大事な御用をしていくんだけど
母ちゃんの学校の先輩でもある玲子さんと会えるのを
母ちゃんも毎年とっても楽しみにしているんだ。

おいらは初対面の人に会うと、まだ飛びついちゃうし、吠えちゃうの。
初々しいパピーだからね。
玲子さんにも飛びついちゃったんだけど
おいらは全く吠えなかったんだ。
母ちゃんは、これをちょっと不思議に思ったみたいだ。

理由はね、匂い。
ただ鼻で嗅ぐだけの匂いじゃなくて
おいらが五感で感じるいろんな匂い。
人間だって時々あるだろ?
初対面で、あ、この人嫌だな、危険だなとか
この人とはもっと仲良くなりたいなとか。

おいらの父ちゃんと母ちゃんが初めて出会った時もそうだったんだって。
一目でお互いに『この人だ!』って思ったんだってよ。
人生の致命的な過ちっていうのは、大概ここから始まるんだよな。
ま、父ちゃんと母ちゃんが過ちを犯してくれたから
おいらは今この家で飯が食えるんだけどさ。

話を元に戻すと
おいらは玲子さんを一目見て
「好き!好き!大好き!LOVE LOVE LOVE!」って思っちゃったんだよ。
玲子さんも「タローちゃん、いい子だね」なんて言ってくれちゃってさ。
おいら、「元気だね」と「大きいね」はよく言われるけど
父ちゃんと母ちゃん以外の人から「いい子だね」って言われたのは、実は初めてなんだ。

母ちゃんと玲子さんが楽しそうにお話ししてる間
おいらはずーっと玲子さんの足元で匂いを感じていたんだ。
それはそれはおとなしくていい子だったんだぜ。

玲子さんのジャケットの飾り紐、はふはふ、はー、いいにほひー。
さすがに芦屋の奥様のにほひー。
江戸っ子でてやんでーなおいらの母ちゃんとは一味も二味も違うにほひー。

「物事は何でも確認が大事」って母ちゃんがいつも言ってるもんな。
おいらは飾り紐を鼻で確認して
口の中に入れて再確認
歯で噛んでみてまたまた確認


「あら!この子何か齧ってるわよ。何コレ?」


よーくよーく確認してたら・・・
ジャケットの紐が噛み切れちゃった。

これ、おいら悪くないよねー。
見てなかった母ちゃんのせいだよねー。


はい、これが今日の大事なポイントね。


        子犬はおとなしい時ほど要注意!




じゃんじゃん。

ペット(犬) ブログランキングへ

2016年4月13日水曜日

鶏が先か、卵が先か


Codyの兄貴とおいらという、ガタイのいいGS2頭立ての姿は
近所ではちょっとした名物なんだ。





こうして2人で仲良く明日を見つめていると
たくさんの人がおいらたちの前で足を止めて褒めてくれる。





時々、こんな雄姿も見せちゃったりして、歓声が上がることもあるんだ。







GSにもいろんなカラーと模様があって
兄貴とおいらは同じ割合のBlack & Tanのスキームで、しかもほぼ同じ大きさだから
知らない人は本当の兄弟だって思うみたいだ。

兄貴の家の人たちは、おいらのことをすっごく可愛がって歓迎してくれるし
おいらの父ちゃんと母ちゃんも、兄貴が大好きで
兄貴の家族みんなに心から感謝しているんだ。

兄貴の母ちゃんとおいらの母ちゃんが、これまた仲良しで
いろんな情報を交換したり
時には互いのお料理を交換したりしてる。

今回のおいらのゴム食べちゃった事件は、母ちゃんがなんとかしてくれたけど
母ちゃんにとって、これは途方もない苦行だったんだ。
目の前にあることを片付けていくことに精一杯で
誰かに頼るなんて、思いつく余裕がなかったんだろうな。
おいらを出迎えてくれた近所の子供たちからおいらのことを聞いた兄貴の母ちゃんは

「どうして、言ってくれなかったの!
私たち友達でしょ!」

涙を浮かべておいらの母ちゃんを叱ったんだ。

GSって、ポピュラーだけど結構大変な犬種でさ
自尊心と独立心が強くて、ピタッと家族としてはまるまでは、手間も時間もかかるのよ。
『女性の愛玩犬』になる気なんてさらさらない犬だからさ。
しかも大型犬だから、手間の全てがextra large sizeなんだ。
兄貴の母ちゃんは経験者だから、おいらの母ちゃんの苦労がわかるんだろうな。

いい友達ができて良かったな、母ちゃん。
おいらが繋いでやった縁だからな。
おいらに感謝しろよ。

「アンタとCodyの縁を繋いだのは母ちゃんでしょうが!」


あー?よく覚えてねーなー。



ペット(犬) ブログランキングへ

2016年4月12日火曜日

親孝行


「あー、もう!
そんなところに寝てたら、母ちゃんお掃除できないじゃん!
母ちゃんの後ばっかりついてくるんだから。」



by 斉藤 光一氏



っていう母ちゃんの顔が嬉しそうだから
おいら、もう少しこうしててやるよ。



ペット(犬) ブログランキングへ

2016年4月11日月曜日

無事生還 その2


翌日、母ちゃんは仕事を終えて、夕飯の支度をしてからおいらを迎えに来てくれた。

おいら、もう嬉しくってさー。
だって、おいら捨てられたのかもしれないって、ちょっとだけ思ってたんだもん。

「お腹の中のゴムは全部出てきましたよ。手術は必要ありません。
でもね、あと1日病院に来るのが遅れていたら、腸が壊疽を起こして危険だったかもしれません。
血液検査の結果は完璧で、白血球も正常値ですから、もう大丈夫ですよ。
帰ってから、うんちに血が混じることがありますが、それもすぐに収まります。
おしっことうんちは済ませているので、帰るまで心配いりませんよ。

って先生が母ちゃんに言っている間に



ちゅるるる・・・・・じょおおおおぉぉぉぉ



受付でもらしちまった。内緒だぜ。
だって、座った途端に膀胱が押されて、出ちゃったんだもん。
出始めたら、止まらなくなっちゃったんだもん。

で、このタイミングで渡された請求書に母ちゃん

「目玉ポーン」の画像検索結果
まあ、大体日本の標準世帯収入の1ヶ月分くらいの請求額。

持っててよかったVISAカード
入っててよかったペット保険

母ちゃんが病院の支払いを済ませて、タクシーを呼んでもらったんだけど
ちょうどラッシュアワーでさ、なかなか来てくれないのよ。
で、ここね、交通量が多い交差点の角にあって、タクシーが止めにくいところでさ
おいらと母ちゃんは交差点の角のところで待ってたわけよ。
いろんな人と車と犬が、今まで見たことのない大群で動いているもんだから
元気になっちゃったおいらとしては、当然興味津々。
あっちにも、こっちにも行ってみたいわけ。
だって、おいらが住んでいる環境とは全然違う空気感なんだもん。

東京の地理に詳しい人は想像してみてほしい。
銀座の昭和通りと晴海通りの交差点の角で
どこに飛んでいくかわからない黒い米俵を紐で繋いでタクシー待ちしているおばちゃんの姿。
これがまさにこの時の母ちゃんの姿よ。


「おばちゃん」の画像検索結果

※ 実物の母ちゃんとは(大きく)異なります。念のため。

怪我している上に、2日徹夜している母ちゃんは、もう完全にポンコツで
振り払えるんじゃないか?って思えるから、余計おいらは騒ぐわけ。
ま、俗に言う『ナメてる』っていう現象よ。
でも、おいらが飛び出したら、2人とも車に轢かれちゃうじゃん。
道行く人に飛びついてもダメじゃん。
母ちゃんはすごい力で、左手でおいらの首輪、右手でリードを握って
交差点でタクシーを待つこと1時間。
一瞬の気の緩みも許されない状況。
多分、これこそが今回の一連の出来事の中で、母ちゃんにとっての一番の修羅場だっただろうな。


おいらは学習した。

母ちゃんという生き物は人間とはちょっと違うんだ。
おばちゃんという生き物は人間とはかけ離れているんだ。

やっと来てくれたタクシーに乗って、おいらは家に帰ってきたんだ。
タクシーから降りた途端に、Codyの兄貴と近所の子供たちが

おかえり!タロー!って喜んでくれた。

学校から帰ってきたオリビアもおいらを見て抱きしめてくれた。
オリビアはバッサリ剃られたおいらのお腹とすっかり痩せちまった体を見て



「可哀想に・・・」

ってつぶやいた。

おいらが元気で生きていることをみんなが喜んでくれるから
おいらは頑張って長生きしてやることにした。



喜べ、母ちゃん。


ペット(犬) ブログランキングへ

2016年4月10日日曜日

無事生還 その1


それは火曜日の朝のことだった。

起きてきた母ちゃんは、おいらのクレートの前でこんなものを見つけた。



これが何なのか、母ちゃんにはすぐにわかった。

クレートの中に目をやると・・・

「うわっ!」

母ちゃんは思わず叫んだ。

クレートの中はおいらの吐しゃ物で覆われていて
綺麗好きのおいらは、それらに触らないように、大きな体を縮こめるように座っていたんだ。

吐しゃ物の中には、似たような物体が合計8個入っていた。


そう、おいらはやっぱり食っちゃってたんだ。
父ちゃんが捨てたおもちゃをゴミ箱からくすねてきたんだよな。
それが、約1か月半の時を経て一気に噴出しちゃったってわけよ。
鮮やかな赤い色が、おいらの胃液で退色して、こんなシックな色になっていたんだ。

そして、そこからが大変。
吐くわ、吐くわ、吐くわ、もう止まらない
スリルとサスペンスのノンストップゲロリング。
治まったかなと思って、ちょっとご飯を食べると
食べたものが、そのままの形ですぐ吐き出される。

母ちゃんはポンコツの状態で1日中おいらの吐しゃ物を掃除するハメになった。

あんまり何度も吐くと、おいらの体力も消耗してきて
母ちゃんに12時間の絶食絶水を言い渡されたんだ。
でも、この時のおいらはそんなの全然辛くなかったんだ。
だって、何も食べたくなかったんだもの。
食べることに障害があるおいらには、これは明らかに異常事態なんだ。

夕方になると、おいらはどんどん衰弱していって
暗いところにうずくまって、息を荒くして、ほとんど動かなくなったんだ。


動物が『死』を覚悟した時に取る、典型的な行動ってやつだ。

さて、ここからが母ちゃんの本当の修羅場の始まりよ。
そして、こういう時に限っていないのが、おいらの父ちゃんの運のいいところなんだな。

おいらの母ちゃんは、日本時間に合わせてコンピューターで仕事をしているんだ。
だから、カナダ時間の昼間に寝ておかないといけないわけよ。
でも、この日の母ちゃんはお昼寝できてない。
そのままおいらの様子を見ながら、徹夜で仕事して
翌日の朝一で、獣医の先生に往診をお願いしたんだけど
おいらの様子では、レントゲンと超音波の検査が必要だから
どうしても、病院に行かなくちゃならなくてさ
免許を持っていない母ちゃんはタクシーを呼んで、おいらを病院に連れて行ったんだ。

バンクーバーのタクシーは、会社によってはドッグフレンドリーをポリシーにしていて
おいらたち犬も乗せてくれるんだ。
これ、助かるよね。

病院に着いたら、いつもは冷たい先生がすごく優しくしてくれた。
母ちゃんの2日洗っていない上に徹夜明けのやつれた顔に同情したんだろうな。
確かにおいらから見ても、実年齢+20歳って感じだった。

初めにレントゲンを撮ったんだけど
実は、ゴムってレントゲンでは映し出されないのよ。
あるのに見えない
これがゴムの本当に恐ろしいところなんだ。
ただ、直腸付近の大腸に明らかに異常があって
ある部分までの大腸にガスが充満していてパンパンに膨れていたんだ。

はーい、腸閉塞確定!(^O^)/


次は体内のどこにゴムが詰まっているか確認するために超音波の検査が必要なんだけど
この病院には超音波の設備がないんだ。
そこで、提携している別の病院に行くように指示されて
タクシーに乗ること、30分。
すごいハイエンドな病院だな、ここは。
ロケーションもバンクーバーでは指折りの地域にあって
1回の診察で$1000以下はあり得ないって言われている病院なんだ。
患者として来ている犬も、みんな血統書がついているような人間界では立派な犬たちばかり。
その父ちゃん母ちゃんも、あら素敵!な恰好をした人たちばかり。
顔を洗っていない、しかも顔に血が滲んだ傷があって
ゲロ掃除から病院に直行したあられもない恰好の母ちゃんと
野性味溢れるおいらの存在は、そこでは間違いなく異次元空間を作っていた。

いつもの獣医が連絡を入れてくれていたお陰で
おいらはスムーズに超音波の検査を受けることができたんだけど・・・
おいらが診察室に入って15分後

「タロー君のお母さん、ちょっと・・・」

もう、この時の母ちゃんは、不良少年の親が学校の先生に呼ばれたような気持だったに違いない。

「タロー君、ちょっと元気が良すぎるので、鎮静剤を打たせてもらってもいいでしょうか?」

言い方も実にハイソサエティな感じだ。

「もちろんです。よろしくお願いします。」

って言うしかないよな。

はーい、+$70確定!(^O^)/


超音波検査の結果、おいらの腸の中のゴムが全部確認されて
いきなり開腹手術をしなくても、下痢で排出することができるかもしれないと言われ
母ちゃんはものすごく喜んだ。
一晩中の下痢は、自宅では面倒見切れないだろうってことで
おいらはこの高級動物病院に1泊することになったんだ。

こうして母ちゃんはおいらを置いて、1人で家に帰っていった。
この時点で夜8時。
もうお仕事の時間。

はーい、完徹2日目確定!(^O^)/




ペット(犬) ブログランキングへ

2016年4月9日土曜日

立ち寝


うららかな春の日に

飯食って
お散歩行って
Codyの兄貴と遊んだら

そりゃぁ、座ったまま寝ちまうことだってあるだろうがよ。



文句あんのか?ん?


ペット(犬) ブログランキングへ

2016年4月8日金曜日

春の遊び


おい、タロー!
俺様が面白い遊びを教えてやる。

なんすか?兄貴。
暗いところに誘い込んで、どんな遊びなんすか?

ふっふっふ、大人の遊びよ。


















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。










すんません、兄貴・・・
その遊び、おいらにはちょっと早すぎます。

失礼しまっす!







ふぅー、危ねー、危ねー。



ペット(犬) ブログランキングへ

2016年4月7日木曜日

母ちゃんがポンコツ


なあ、母ちゃん
顔くらい洗えよ。

「洗えるもんなら、洗いたいさ!」

なあ、母ちゃん
手くらい洗えよ。

「洗えるもんなら、洗いたいさ!」

おいらの母ちゃん、何もしなくなっちまった。
なんでだろうね?

昨日、Codyの兄貴のところに行く途中
おいら嬉しくって、すごい勢いで兄貴のところに走っていったんだ。
兄貴の鼻にキスして、ふと振り返ると
母ちゃん、リードを握ったまま、Codyの家の前で転んでてさ
両手指を砂利道で擦って、顔をCodyの家の門柱の角にぶつけてたんだ。

ちょっと動くと体中痛いんだって。
おいらの母ちゃん、しばらくポンコツ。



「ポンコツ」の画像検索結果



リード離せばよかったのに。
別においらについてくることないのにな。


「車道でリードを離すってことは
あんたの母ちゃんを辞めるってことなんだよ。
それでもいいなら、リードなしで好きなところに行け!」


うん!ご飯までには帰るからね!


ペット(犬) ブログランキングへ

2016年4月6日水曜日

帰ってきた兄貴


朝、母ちゃんと散歩をしていたら
向うからGSのパピーが来るのが見えた。

おいらは嬉しくって


あおおおぉぉぉーーーーーん!


って声をかけた。

そしたら向うも


うおおおおぉぉぉーーーーん!


って返事してくれた。

ん?この声は?
もしかしてCodyの兄貴っじゃないっすか!?
しばらく見ない間に、兄貴、なんだか小さくなりやしたね。

おう、タロー久しぶりだな!
バカ言ってんじゃねーよ。
俺が小さくなったんじゃなくて、お前が一段とデカくなったんだよ。

ところで兄貴、久しぶりのシャバの空気はいかがっすか?

そりゃぁ、最高よ!

実はCodyの家族は、春休みを利用して実家のスリランカに帰っていたんだ。
その間、Codyは近所のペットホテルで豪華なバカンスを満喫してたってわけ。
ところが、帰る予定日から1週間を過ぎても、Codyも家族の皆さんも帰って来なかったから
おいらも父ちゃんも母ちゃんも、すごく心配してたんだ。

タロー、俺様が帰ってきて嬉しいか?

そりゃぁ、嬉しいっすよ。

どれくらい嬉しいか、体で表現してみろよ。

んー・・・こんな感じっすかね。



兄貴もおいらに会えて嬉しいっすか?

当然、嬉しいさ。

どれくらい嬉しいっすか?

こんな感じかな。


さすがおいらの兄貴だ。
はっちゃけ方がハンパない。




ペット(犬) ブログランキングへ

2016年4月5日火曜日

やっちまった・・・


おいら、まだ自分の衝動をちゃんとコントロールできなくてさ
母ちゃんの顔見たら嬉しくて、やっちまったわけよ。

もちろん、甘噛みだけどさ、うちでは御法度なんだよな。





証拠写真まで取られちゃったら、仕方ねーよなー。

男らしく、ちっと叱られてくるわ。






ペット(犬) ブログランキングへ

2016年4月4日月曜日

ご主人様


おいらたち犬の中には、生涯1人の主人しか持たない犬がある。
チベタンマスティフなんかがその代表で
主人からもらったご飯しか食べないし
主人がいなくなると、ご飯を食べなくなってしまう。
そうして、巨大な体を衰弱させて、緩やかに自殺する。

「チベタンマスティフ」の画像検索結果

生物の中で自殺するのは人間だけだとしたり顔で言うけど
犬だって精神病になるし、認知症にもなるし、自殺だってするんだぜ。
父ちゃんと母ちゃんは、主人が変わったチベタンマスティフが断食自殺した例をたくさん知っている。

そういう律儀な犬は大型犬に多くて
おいらたちGSにもそういった傾向が時々あるんだ。

おいらには前に別のご主人様がいたから、父ちゃんを主人と認識するのに時間がかかったけど
今ではおいらのご主人様は父ちゃんだけなんだ。
おいらは母ちゃんも好きだし、大切な家族だと思っているけど
残念ながら、母ちゃんはおいらのご主人様ではない。
でも、おいらは母ちゃんがくれたご飯はしっかり食べるぞ。
なんなら、おかわりしてやってもいいぞ。



母ちゃんに「タロー、come!」って呼ばれても



なんだよ、うるせーなー
おいら今忙しいんだよって感じだけど

父ちゃんの声がしただけで












by 斉藤 光一氏







おいらは空を飛んじゃう勢いで飛んでくる。
時々嬉ションしちゃうなんてことは絶対に内緒だ。
それくらい、父ちゃんはおいらにとって唯一絶対神のような存在なんだ。








「お前、わかってないなー。
父ちゃんのご主人様は母ちゃんだぞ。」









なんですと!



ペット(犬) ブログランキングへ