2016年9月13日火曜日

希望の扉


昨日、おいらは車に乗ってドライブに行ったんだ。
1時間ちょっと車に乗って降りた先は

あー!おいら、ここ知ってるー!

SPCA(動物虐待防止団体)の、とあるブランチ。
車から降りたおいらは、一目散にSPCAのドアに走っていったんだ。

おいらがまだ4ヶ月の赤ちゃんだった頃
バンクーバーのアパートに餌も水も与えられずに閉じ込められていたところを
SPCAの職員に救出してもらったんだ。
そして、やっぱり車に乗せられて、気がついたらこのドアをくぐってたんだっけ。
ドアをくぐると、みんながおいらに優しくしてくれてさ
ご飯もくれて、ボランティアの人が散歩もさせてくれたんだ。


助かった・・・ また、生きられる。


このドアをくぐったおいらたちはみんなそう思うんだ。
このドアはおいらたちには希望へと続くドアだったんだ。
そしてこのドアを出る時、それはおいらたちに新しい未来が約束されたということなんだ。

あれ!お前、あの時の!
わー!お前も今日来たのか?
うわっ!こいつもいるじゃん!

見覚えのある顔がいっぱいいた。

そうなんだ。
昨日SPCAのPaws for a Cause - Walk to Fight Animal Cruelty
動物虐待に反対する人たちが飼い犬と一緒に歩くっていうイベントがあって
おいらも父ちゃんと母ちゃんと一緒に参加したんだ。
誘ってくれたのはおいらの許嫁オールジーちゃんの母ちゃんで
昨日は、実はおいらとオールジーちゃんのお見合いでもあったんだ。
オールジーちゃんもおいらと同じくSPCAの出身で
このドアから巣立って幸せになった同志なんだぜ。
おいらとオールジーちゃんのお見合いの様子は別記事で特集組むから楽しみに待ってろよ。

会場に着くと、SPCAのハンサムなお兄さんが母ちゃんに話しかけてきた。

登録は済んでいますか?

はい、オンラインで登録してあります。

この犬はSPCAの出身ですか?

はい、そうです。

名前は?

タローです。でも、ここにいた時の名前は・・・

母ちゃんがおいらの昔の名前を言うと、そのお兄さんは



ああ!あの子でしたか!



大きくなって!
おーい!みんなあの子が来てるぞ!


お兄さんの掛け声で、職員の人たちがたくさんおいらの周りに集まってきたんだ。

がはははは、おいら人気者。
ここを巣立って10ヶ月も経つのに、みんながおいらを覚えてくれてる。
しかも、おいらはここに1週間しかいなかったんだぜ。

1人の職員が走ってきた。

きゃー!Mr. Troubleがこんなに大きくなって!

わー!それは言わない約束だろ!
ばらすんじゃねーよー。


母ちゃんの心の声が聞こえた。

Mr. Troubleだって・・・。
GSは大変だってわかっていたけど、通りでこの子は普通の大変さじゃなかったわけだ。
ナーバスな状況の犬たちを救助する現場の人たちがそう言うくらいだから
やっぱり、並外れてやんちゃなわけだわ。

なあ、母ちゃん・・・
おいらのこと、このまま返品するなんてことはないよな?
おいら、最近まあまあいい子だよな?
母ちゃん、おいらのことまだ好きだよな?な?な?









ペット(犬) ブログランキングへ

2016年8月29日月曜日

誰がための安楽死


おいらの母ちゃんは猫の母ちゃんだったこともある。
生後2か月で母ちゃんの元に来たその猫は19歳で亡くなった。
母ちゃんが40歳の時だから、その時点で母ちゃんの人生の約半分を共に暮らしたことになる。
ずーっと一緒にいたから、母ちゃんはこれからもずーっと一緒にいられると
何となく、でも当たり前のようにそう思ってたんだ。

「キジ猫 フリー画像」の画像検索結果

ある日、その猫が元気がなくなって病院に連れて行ったら
もう癌が全身に転移していて、内臓も体内で溶けちゃっていて
どうにも手の施しようがなかったんだって。
その時母ちゃんは愕然としたんだ。
親兄弟の次に長い時を過ごした一番の親友の最期を何も考えていなかった自分に。

突然突き付けられた『安楽死』の問題に、母ちゃんはどうしたらいいかわからなくて
『安楽死』を提案した担当の獣医さんに聞いたんだ。

「この子はあまり動かないし、表情もいつものままですが
痛いんでしょうか?苦しいんでしょうか?」

痛みも苦しみも麻痺しているようなステージですね。

「それでも安楽死させた方がいいんでしょうか?」

それは親御さんのご意志次第ですね。

「私は自分のことに置き換えて考えてみても、どうしたらいいかわからないんです。
もし、先生だったらどうされますか?」

私は職業柄安楽死を否定できない立場にありますが
毎日多くの動物たちを見て来て思うことを正直に申し上げるならば
動物は皆、最後の最後まであがこうとするんですよね。
死を悟っていても、それでもあがくんです。
私には、それは動物たちが
自分の生を全うさせようと最後の力を振り絞っている
ように見えるんです。
それしか申し上げられません。

この時、母ちゃんの中に何かがすーっと落ちてきた。
どうするべきか、はっきりしたんだ。
命の尊厳は痛覚だけにあるわけじゃない。
この子が自分の生を全うさせることを邪魔するのはやめようって。
安楽死はこの子が生を諦めたいほどの苦しみに襲われたら、その時にきちんと介錯人としての覚悟を決めて行おうって。

最近、おいらの周りでは

飼いきれなくなったから安楽死 とか
捨てて、野生動物に食べられるよりは安楽死させる方が人道的 とか
そんな話をよく聞くんだ。

『人道的』って言葉の使い方がおかしいだろ。

ああ、そうか。
『安楽死』って、飼い主を安楽にするためにおいらたちが殺されるって意味もあるんだね。







ペット(犬) ブログランキングへ

2016年8月24日水曜日

タロー先生のありがたい講釈 その4


犬や猫って、自分のことが好きな人とそうでない人がわかるって言うだろ?
あれ、ホントなんだぜ。
人間だけじゃなく、哺乳類動物に相対すると、相手が敵か味方かすぐにわかるんだ。
便利な機能だろ?

なんでわかるかって言うとね、哺乳類動物は刺激を受けると
その刺激に対処するためにホルモンが分泌されるんだ。

わっ!この犬デカい!怖いな、嫌だなって構えるとアドレナリンが

うわーっ、可愛い!ハグさせて!って思うとオキシトシンが分泌されて

それらのホルモンが体臭を変化させるんだ。
人間自身は気がついてないだろ?
哺乳類の中でも、人間っていうのはかなり知覚的に鈍感な生き物なんだぜ。
ところが人間以外の哺乳類動物は大概その変化を嗅覚で物理的に嗅ぎ取るんだ。

コイツは敵なのか?それとも味方なのか?

おいらたちは鼻で嗅ぎ取り、本能で判断する。
ホントは犬が好きじゃないのに「うわーっ、可愛い!」って近寄っていきなり噛まれた
なんて話をよく聞くだろ?
オレはお前の敵だっていう臭いをプンプンさせていきなり触れば、そりゃ犬は噛むさ。
ヘラヘラ笑って近寄ってくる敵って怖いだろ?
おいらたちに嘘は通用しないんだぜ。
人間はこの嗅覚と引き換えに嘘をつく能力を手に入れたんだな、きっと。
お気の毒様だな。

一方で、犬を見るとオキシトシンが大量に分泌される体質の人もいてね
その臭いを嗅ぎつけると、犬は尻尾を振って近づいていく。
近づいて、味方だということが五感で確認出来たら、もう離れない。
そういう人を主人に持った犬は本当に幸せなんだ。
自分が愛されていることを、毎日鼻で確認出来るんだもんな。

昨日ね、母ちゃんのワンコ道の先生、美重子さんがうちに来てくれたんだ。
美重子さんに挨拶した途端、匂いが変わったんだ。
母ちゃんと同じオキシトシンの匂いがした。
全身が「タロー君にまた会えて嬉しいわ!」って言ってくれた。
おいら、もう大興奮!
今日は美重子さんのワンコのギャリー君とポリー君もいないから
おいらははっちゃけまくって、美重子さんを独り占め。
母ちゃんに叱られるまで全身全霊で甘えまくったんだ。

人間は他人には嘘はつけても
自分の体と犬は騙せない。


はい、今日の講義の結論ね。



犬が苦手な人は無理に犬に近づかないこと。


犬が人を噛む時は、実は犬の方が怯えているんだ。
怖いから噛む。
怖いから攻撃する。
そしておいらたち犬は危険犬のレッテルを張られたり
最悪の場合、殺処分にされる。

嘘をつくのは人間同士だけにしといてくれよな。


じゃんじゃん。




ペット(犬) ブログランキングへ

2016年8月11日木曜日

ふわーっ


飯食って、たくさん遊んで、骨をかじる。
おいらの1日を要約すると、まあ、こんなもんだ。

日もとっぷりと暮れて、まだちょっと遊び足りないんだけれど、眠い・・・
そういうジレンマに襲われると、おいらは父ちゃんの足を枕にして遊ぶんだ。

「タロー、お前重いぞ!」


知ったこっちゃねーよー。
笑って文句言ってる時の父ちゃんは怖くないって、おいら知ってるんだぜ。

おいらの父ちゃんの足は特別なんだ。
父ちゃんの足の規則正しい静脈の音は魔法の呪文でさ



トックン トックン トックン トックン トックン トックン



っていうリズムに体と心を預けていると
体がふわーってなってきて
おいらがまだ母ちゃんのお腹の中にいた頃に戻っていくんだ。
偽大和撫子のおっかねー母ちゃんじゃねーぞー。
4本足で毛が生えている優しい方の母ちゃんだ。
すごく気持ちがいいんだけど
いつも、そこから記憶がなくなるんだよな。



しばらくして目を開けると
おっかねー方の母ちゃんがおいらを優しい目で見てるんだ。

それを見て、おいらまた、ふわーっ

やべー、やべー
また、母ちゃんの忍術にはまるところだったぜ。
ペット(犬) ブログランキングへ

2016年7月18日月曜日

尾頭付き


「タロー、ちょっとお留守番しててね。」

父ちゃんと母ちゃん、揃ってどこ行くの?

「お前の1歳の誕生日だろ?
お祝いしなくちゃいけないだろ?
だから、ちょっといつもの寿司屋に行ってくる。」

わーい!今日の夕飯はお寿司だね!
早く行ってこいよ!おいら、いい子で待ってるから!

「やっぱり、1歳になると違うわね。
ホント、うちのタローはいい子だわ。」

まーなー。

あ、母ちゃん、因みにおいらは
中トロとホタテとウニが好きだな。
コレステロール三兄弟ね。

大トロは高いだろ?だから、無理すんな。
中トロでいいぞ、中トロで。
でも、できれば本マグロのやつね。


あ、父ちゃんと母ちゃんが帰って来た!

寿司だ!寿司だ!今晩は寿司だぞー。

「タロー、ただいま!」

おかえり!
いい子で待ってたぞ!
おいらのコレステロール三兄弟は?

「え?」

え?

まさか、2人で食べてきちゃったなんてことはないよな?
おいらのお祝いだよな?
父ちゃん、口からえんがわとはまちの匂いがするのはおいらの気のせいだよな?




「・・・・・・・気のせいに決まってるでしょ。
お前のもあるよ!ほら!」





「お前の大好きな人参のお刺身。

今日は尾頭付きだよ!」




ペット(犬) ブログランキングへ

2016年7月16日土曜日

1歳になったぞ!


おいらがこの家に来て最初の2ヶ月は『悪魔』だった。



何でもかじる。
人も噛む。
吠えるし、飛びつくし、誰の言うことも聞かない。

みんなが母ちゃんに言ったっけ。
「大丈夫?こんな子?SPCAに返したら?」

ほらね、どうせまたおいらは別のところに連れて行かれるんだろ?
誰もおいらのことなんか好きじゃないんだ。

母ちゃんが言った。
「生まれてからこんな短い間に、この子は何人の人間に見捨てられるの?
そんなことできないよ。」

綺麗事言ってられるのも今だけさ。
お前だってすぐにおいらを見捨てるよ。

「大好きだよ。」
「いい子だよ。」
「お前のことを信じてるよ。」

けっ!知るかよ!
おいらの人生の中で、そんな言葉が本当だったことなんか1度もないぞ!




3ヶ月を過ぎると、『悪魔』を卒業して『ケダモノ』になった。



甘えたいんだけど、甘え方がわからなくて
大きな体で、噛んで、飛びついて、押し倒す。
父ちゃんと母ちゃんに毎日叱られた。
叱られた後、必ずハグしてもらって、少しずつ甘え方を覚えていったんだけど
父ちゃんと母ちゃん以外の人はみんなおいらを怖がった。

やっぱりみんなが母ちゃんに言ったっけ。
「大丈夫?後悔してるんじゃない?」

母ちゃんが言った。
「子供が言うことを聞かない度に、あなたたちは産んだことを後悔するの?」




4ヶ月が経った時、おいらは病気した。



このまま死ぬんだって覚悟した。
どこで死にたいかって考えた時
おいらの頭に浮かんだのは父ちゃんと母ちゃんの膝だった。
母ちゃんが病院に連れて行ってくれた。
おいらは見捨てられなかったんだ。
病院から帰って来たら、みんなが喜んでくれた。
みんなの嬉しそうな顔を見て、おいらは初めて自分が生きている世界を意識した。
人間はおいらの敵じゃない。
おいらは思ったよりも、ずっと暖かい世界に生きているんだって知ったんだ。
その瞬間、『ケダモノ』はやめて『やんちゃな犬』になった。

みんながおいらを見て言ったっけ。
「へー、変われば変わるもんだねー。
おとなしいと、この子は結構可愛いね。」

母ちゃんが言った。
「まだまだ、これからよ。」




この家に来て6ヶ月の時、母ちゃんが病気した。



母ちゃんの顔が見られなくなって、おいらは気が狂うかと思った。
父ちゃんがいいこと教えてくれた。
「お前がいい子にしてたら、母ちゃんは早く治るよ。」
母ちゃんの顔が見たくて
そのためなら、『いい子』になってもいいと思った。

おいらが幸せだと感じる世界には、いつも父ちゃんと母ちゃんがいて
父ちゃんと母ちゃんの間においらがすっぽり納まる。
おいらは父ちゃんと母ちゃんの子供で、この家に必要な存在なんだ。
完璧な安心感と幸福感に包まれて
おいらは今日もモリモリ飯を食う。




この家に来て、もうすぐ8ヶ月。



みんなが口を揃えて言う。
「いい犬だねぇ。」

母ちゃんが言う。
「はい、うちの子ですから!」

この女、ホント馬鹿だろ?
そこは「いえ、それほどでも。」って言うのが日本人だろ?

古代中国の皇帝が献上された鹿を馬だと言った。
「いえ、それは鹿です。」と言った家臣は殺された。
馬鹿という言葉はこれに由来するらしい。
本当のことを言う奴は馬鹿ってことか。

みんなが『悪魔』だと思った犬を
母ちゃんだけが『いい子』だって言い続けた。
みんなにもおいらにも言い続けて8ヶ月経ったら
『悪魔』は本当に『いい子』になっちゃった。
おいらの母ちゃんはきっと究極のプレミアム馬鹿なんだろう。
けど、母ちゃんの嬉しそうな顔を見てると
「馬鹿ほど幸せ」っていうのは本当なんだなって思う。
よかったな、母ちゃん。

このプレミアム親馬鹿母ちゃんのお陰で
おいらは今日 満 歳 になった!




母ちゃん、おいらに感謝しろよ!


がはははは!



ペット(犬) ブログランキングへ

2016年7月14日木曜日

ペンキ塗りたて


父ちゃんがペンキを塗ってるんだ。
梯子を登って、すごく高いところも1人で全部塗るんだ。
家族のために一生懸命働く男ってカッコイイよな。

おいらは、そんな父ちゃんに梯子の下から声かけたんだ。

父ちゃん、頑張れ!

父ちゃんも返事してくれた。


どけ!そこはペンキ塗りたてだぞ!





母ちゃん・・・
なんか、おいらの鼻・・・カピカピしてるんだけど・・・。





ペット(犬) ブログランキングへ

2016年7月12日火曜日

魔法の言葉


最近のおいらのマイブームは
浜辺でキャッチスティック

棒を海に投げてもらって、おいらが飛び込んでキャッチする。
棒を咥えて、父ちゃんと母ちゃんの元に持ってくるところまではいいんだけど
せっかくおいらが海に飛び込んでキャッチした棒だろ?
そのまま父ちゃんと母ちゃんに献上するのは、正直ちょっと悔しい。
だから、なかなか棒を渡さないんだ。



そんなおいらに、父ちゃんはおやつをポーンと投げて
おいらが棒を落とすのを待つんだ。
ま、定石通りの手法だな。

一方、おいらの母ちゃんは昔忍者だったから、術をいっぱい持っていてさ

母ちゃんの言うことなんか聞かないよ!

って、おいらは思っているのに
気がついたら、いつも母ちゃんの思った通りになっちゃってんだ。

おいらが棒を持って母ちゃんに突進していくだろ。

今日は絶対に母ちゃんに棒は渡さない!

って思っているおいらに母ちゃんは嬉しそうに笑って


「タロー、ありがとう


って言うんだ。
「ありがとう」って、結構ヤバいよな。

そう言われちゃったら、おいらだって悔しさ噛み締めてでも渡すしかないじゃないか。



ほら、持ってけよ・・・。




ペット(犬) ブログランキングへ

2016年7月11日月曜日

おいらの家


前の犬が天国に行っちゃってから
父ちゃんと母ちゃんは、今の家にいつまで住もうかなって考えてたんだ。

おいらの家は、住宅街の一軒家。
一軒家は自分で家の管理を全部しなくちゃならないだろ?
これが結構大変なんだ。
毎月数回の草刈り、屋根の張替え、ペンキの塗り替え、雨漏りの修理
こういうことを全部自分でしなくちゃならない。

普通の人は業者さんにお願いするんだけど
これが高い上にアテにならない。
前金を払ったら業者が逃げちゃった、とか
もっと割のいい仕事にありついたから、工事途中で業者が来なくなっちゃった、とか
そういう話に事欠かない。
金額と工期が契約書通りに終わるなんてことは
日本では当たり前のことだけど、多民族国家カナダではそうそうない。

だから、うちでは家のメンテナンスは全部父ちゃんがやるんだ。
元大工の父ちゃんの仕事は、的確で丁寧だから、母ちゃんはすごく助かってるんだ。
去年は屋根瓦のシーリングをしてくれたし
その前の年は、雨漏りの補修と室内のペンキ塗りをしてくれた。

そんな器用な父ちゃんなんだけど、もうそろそろ気軽に高いところに登れる年ではなくなってきたんだよな。
おいらの家は、そろそろ築20年になるから、外壁の補修とペンキ塗りが必要なんだ。
近いうちに引っ越すのであれば、しなくていいけど
10年以上ここに住むなら、父ちゃんの体が動く今のうちにしておかなければならない。

父ちゃんと母ちゃんは考えた。
マンションみたいな集合住宅に住み替えたらどうなるか?って。

不動産が高騰している今なら、この家も高値で売れる。
固定資産税、維持費が安くなる。
掃除が楽になる。
草刈りも部屋の補修も管理組合がしてくれるから、生活そのものがとっても楽になる!
いいことずくめじゃん!

でも、1つだけ困ることがある。

それは、おいらだ。

散歩や用便の度にエレベーターで上り下りしなくちゃならないだろ?
今はまだ若いから、我慢もできるけど
おいらだって年取ったら、そうそう我慢もできなくなる。
歩けなくなったら、父ちゃんと母ちゃんがおいらの巨体を担いで1階まで運ぶことになる。
だからね、父ちゃんと母ちゃんとおいらが一緒に暮らしている間は
ずっとこの家に住むって決めたんだって。

おいらは生まれてから4ヶ月になるまで
あっちこっちをたらい回しにされてきたから
『自分の家』っていう概念がなかったんだ。
だけど、おいらは一生この家で父ちゃんと母ちゃんと暮らせるんだ!
ここはおいらの家なんだね!

おいら、すげー幸せ感じるよ。



ほら、父ちゃん!
ボヤボヤしてねーで
さっさとペンキ塗っちまえよ!




ペット(犬) ブログランキングへ

2016年7月10日日曜日

天使と悪魔


最近、母ちゃん元気になったよな?
腕もあんまり痛くないみたいだしな。

じゃあ、そろそろおいらも『いい子』を卒業して
『ヤクザでヴィシャスなGSタロー』へと進化しようか。




この目つき、ヴィシャスだろ?
気を付けろよ!
おいらに触ると怪我するぜ!


「あれ~?母ちゃんの『いい子でジェントルなタロー』を見なかった?」

しらねーなー。

「そっかー。そろそろご飯の時間なんだけど・・・。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





はい!ここでしゅ!
おいら、ここにいまっしゅ!
いい子でジェントルな母ちゃんのタローでしゅっ!





ペット(犬) ブログランキングへ

2016年7月9日土曜日

距離感


最近のおいらは、あまりCodyの兄貴と遊ばなくなっちまった。

おいらの母ちゃんと兄貴の母ちゃんは相変わらず仲良しで
ちょいちょい互いの犬を連れて行き来するんだけど
おいらたち犬同士は同じ空間にいても、互いを気にかけることなく
勝手気ままにそれぞれが1人遊びに耽るんだ。



今まで、毎日毎日一緒にいただろ。
何て言うか・・・お互いを知り尽くしちゃって、新鮮味がないんだよ。

人間だって成長に応じて、兄弟や友人の距離感も変わってくるだろ?
そういう時期がおいらたちにも来たんだよな。

けど、ひとたび誰かがおいらたちの間に入って来ると・・・




ほーら、こんなに息が揃っちゃう。


兄弟っていいよな。





ペット(犬) ブログランキングへ

2016年7月6日水曜日

夏の怪現象


最近、父ちゃんと母ちゃんはおいらを海や川に連れて行ってくれるんだ。
おいらの家の近所にはドッグラン併設のビーチがいくつかあって
おいらはそこに落ちている木の棒を拾い集めるのが好きなんだ。

1本、2本、3本・・・さて、これで5本だな。
あれ?4本しかないぞ。
おいら数え間違えたかな?
じゃ、もう1本っと。
あれ?それでもやっぱり4本しかない・・・。

あー、父ちゃんひどいよ!
それ、おいらの棒だよ!

父ちゃんに飛びつこうとすると、父ちゃんはおいらの棒を海に向かって投げるんだ。

あー、あー、あー
おいらの棒が流されちゃうじゃないか!

おいらは海に向かって飛び込む。
棒を咥えて砂浜に持ってくると
おいらが咥えている棒を合わせても、やっぱり4本しかない・・・。



あー、父ちゃん!またかよ!おいらの棒だぜ!
返せよな!

おいらはまたまた海に飛び込む。



何度、海の中に棒を拾いに行っても、砂浜に戻るとおいらの棒は常に4本しかないんだ。
変だろ?

こんなことを30回くらい繰り返して
父ちゃんの腕が疲れた頃、なぜか突然、棒は5本になるんだ。
変だろ?

その後、おいらと父ちゃんと母ちゃんはドッグランで走るんだ。
父ちゃんと母ちゃんは50mくらい離れて、交互においらを呼ぶんだけど
おいらが疲れてはーはー言ってるのに
父ちゃんと母ちゃんの呼吸は全く乱れないんだ。
変だろ?

母ちゃん、出掛ける前に言ったよな?
「3人で走ろう!」って。
おいらが1人で走ってるなんてことはないよな?
きっと、人間は犬より心肺機能がタフなんだよな?



なんか、夏って変なことがいっぱい起こるよな。





ペット(犬) ブログランキングへ

2016年6月30日木曜日

母ちゃんの腕が痛いわけ


ヘルペスが治っても、母ちゃんの腕の痛みは治らなかった。
そう言えば、ヘルペスになる前から母ちゃんは腕が痛いって言っていたな。

人間には30肩、40肩、50肩みたいに年齢に応じた痛みがあるんだろ?
母ちゃん自身もそういう類の痛みだと思ってたんだ。
そのうち収まるだろうと思っていた痛みが
そのうち段々と酷くなっていって
ある日、洋服の脱ぎ着ができないほどの痛みになっちゃったんだ。

で、病院に行ったわけよ。
レントゲンを撮っても、骨には異常がない。
尿便検査と血液検査にも何も異常はなくて
最終診断は両腕の筋肉の断裂とじん帯損傷。
「よく、2ヶ月もこのまま暮らしてたねぇ。」
主治医が笑ってたんだって。

で、ここで問題だ。

なぜ母ちゃんの腕の筋肉とじん帯がこんなことになっちゃったのか?

まさか、あれかな?

それとも、これかな?


そんなわけないよな?
おいらのせいじゃないよな?
年のせいだよな?

な、な、な、母ちゃん?





ペット(犬) ブログランキングへ

2016年6月29日水曜日

スカーフをつけよう

カナダの多くの市では、犬は市政府に登録をしなければならないという条例があるんだ。
登録は有料で、毎年再登録料を払って更新するんだ。
もちろんおいらも登録してるよ。
おいらが住んでいるところの登録料は
去勢手術をしているかどうか、危険犬(種)かどうかで変わるんだけど
去勢手術をしていない危険犬(種)は
去勢手術をしている一般犬の10倍以上の登録料がかかって
外を歩く時には常にマズルを装着することが義務付けられているんだ。

今、バンクーバーではこれが大きな議論になっているんだ。

危険犬って何かというと

人や他の動物に危害を加えたことがあるか、その恐れがある犬

ってことだ。

犬だって人だって動物だから、しつけや扱い方を間違えれば社会に大きな迷惑をかける。
だから、飼い主や親の責任っていうのは重たいんだ。

で、これの何が問題になっているかっていうと

市によっては、危険犬として危険犬種を定めているところもあるんだ。
ピットブルやブルテリア、及びその血統を引いている犬は全て危険犬とされるってこと。
実際、おいらが知っているだけでも
ピットブルによる傷害や殺人は今年のバンクーバーエリアだけで既に3件ある。
みんな安楽死させられちゃったんだ。
国によってはピットブル及びその血統の入国を禁止している場合さえある。

人や他の動物に危害を加えたことがあるか、その恐れがある犬

犬を人に置き換えてみると

人や他の動物に危害を加えたことがあるか、その恐れがある人

つまり前科者または反社会型人格障害者

って意味になるよな。

要するに、犬だって生まれや経歴で差別していいのか?っていう議論なんだろうな。

おいらの周りにもピットブルはたくさんいて
やっぱり、ちょっと他の犬より攻撃的な性格な子もいるんだ。
『噛んだら離さない世界一強い闘犬』の遺伝子はダテじゃない。
こんなとぼけた顔して、なかなかやるんだぜ。

「ピットブル」の画像検索結果

けど、よく躾けられたおとなしいいい子もたくさんいるのも確かなんだ。

血統っていうのは、遺伝子の問題ってことだよな。
これは、躾だけでクリアできるとは限らない。
それが、残念ながら現在の科学の結論だ。
でも、クリアできちゃう子がいるのも確かな経験値としてある。
クリアできたかな?と思っていると、ある時突然『闘犬スイッチ』が入っちゃって攻撃的になることもある。
問題は、ピットブルをペットとして飼うための科学的知識が人間にまだ乏しいってことなんだろうよ。

数十年前、実はおいらたちGSも危険犬種だったんだぜ。
その次は、ロットワイラーが危険犬種って言われた時代もあった。
でも、人間の英知がGSやロットワイラーの特質に追いついて
今じゃ、おいらたちは優秀家庭犬の代表格になっただろ。

あとね、犬種に関わらず躾ができていない犬や
自我をコントロールできない若年期の犬は、実はみんな危険な動物なんだ。


そこで大きく頷くなよ、母ちゃん!


だから、ピットブルが安全な犬だって言われる時代もきっと来る。
でも、残念ながら今じゃない。

そこで、天才GSのおいらはひらめいたんだ。


「ピコーン」の画像検索結果


知らない人が見たら絶対怖いと思うようなおいらみたいな大型犬とか
ヤバいかも?と思われちゃうような犬種の犬は
法律や条例に関係なく、自発的に首にスカーフを巻いたらどうだろう?

まだ、ちょっと若すぎて人や他の動物に順応できない犬は赤いスカーフ

大体大丈夫なんだけど、子供やしつこい犬は気を付けてねの黄色いスカーフ

Everybody Come on!の緑のスカーフ

みたいにね。

これは犬や飼い主を差別するための色分けじゃなくて
犬の成長段階を知らせるための色分けね。

人も犬も、知らないものを恐れるっていう特性があるだろ?
すれ違う犬の社会的成長段階が遠くから見てもわかったら
人も犬も安心するんじゃない?

そして、わかってほしいんだ。
赤いスカーフはダメな子じゃなくて、成長途中なんだってことを。
全ての犬は赤→黄→緑の成長段階を必ず辿るんだってことを。

お前も赤い時代が長かったもんねぇ。


遠い目をするなよ、母ちゃん!




ペット(犬) ブログランキングへ

2016年6月27日月曜日

変化

おいらのブログを楽しみにしてくれていた皆さん
しばらくお休みしちゃって本当にごめんな。






おいらのダメダメな母ちゃんが病気して、怪我して
ずっとポンコツだったんだ。

おいらとしては、書きたいこと、晒したいことがいっぱいあったんだけど
いくらダメダメなポンコツ母ちゃんでも
やっぱ、おいらにとってはオンリーワンな母ちゃんだからさ
放っておくわけにはいかなかったんだよな。

決して、このブログを母ちゃんに書いてもらっているわけじゃないぞ!
お宅のお子さんたちの夏休みの宿題とは違うからな!




さて、まずはことの経緯を書いていこうか。

ある日、母ちゃんが腕が痒いって言いだしたんだ。
その時は父ちゃんも「だから、どうした?」って感じだったんだけど
痒かったところが、ヒリヒリ、ピリピリ痛くなり
半袖シャツの縁が触れただけで

「ぎゃっ!」

って言うくらい痛くなったんだ。

そのうち段々と熱も出て来て、あとは寝たきり、起きてこない。
ヘルペスって言うんだって。

家の中で、常にイタズラ素材を探しているおいらだけど
今回ばかりは本当に心配で、寝室の前でずっと待機してたんだ。
ホントは寝室の中に入って看病したかったんだけど
おいらたち犬は、怪我も病気も患部を舐めて治すだろ?
これ、結構効果的な治療法なんだぜ。
けど、おいらの滑らかな舌でシルキータッチしても母ちゃんは痛がるから
父ちゃんに寝室のドアを閉められちゃったんだ。

母ちゃんは寝返りを打つ度に腕が痛くて

「ひっ!」

って、小さく悲鳴を上げるんだ。

おいらはその声を聞いて

「ひぃーーーん、ひぃぃぃーーーん」

って言いながら父ちゃんを呼びに行く。

父ちゃんはおいらの頭を撫でながら
「大丈夫だよ。一緒に母ちゃんにお水持って行こうか?」
こうして、父ちゃんと一緒に母ちゃんをお見舞いする。
母ちゃんの顔が見えても、おいらは

「ひぃーーーん、ひぃぃぃーーーん」

って泣くんだ。

そんな日が約20日間続いた。

その間、ご飯も運動もちゃんと父ちゃんがしてくれたし
Codyのおうちの人たちが、おいらを泳ぎに連れて行ってくれたりしたんだ。
ご近所さんってありがたいよな。



母ちゃんがやっと部屋から出られるようになった時
母ちゃんはおいらの変化に驚いた。

「お前、何だか顔が小さくなったね。」

違うよ!母ちゃんが寝ている間に、おいら体重が7ポンド増えたんだよ。
顔が小さくなったんじゃなくて、体がまたまたデカくなったんだ。

それから、母ちゃんがおいらにコマンドを出す前に、おいらは察知してさっと動く。
「お」と言ったら、お座りしてる。
「ま」と言う前に、ちゃんと待ってる優秀GSのおいらになってたのさっ!
しかも、母ちゃんを守るために、常にそばについて離れない。
母ちゃんがお空に飛んで行ってしまわないように押さえとかなくちゃな。



久しぶりに母ちゃんとドッグランに行ったら
みんながおいらのことを『Mr. ジャッジマン』と呼んでいて、母ちゃんはまたまたびっくりさ。
ドッグランで喧嘩している犬たちを見ると、おいらはすぐにすっ飛んで行って
気を逸らして仲直りさせるんだ。
ジェントルマンだろ?

「お前、本当にうちのタローなのかい!?」

何言ってんだよ、母ちゃん。
母ちゃん、いつもおいらに言ってただろ。

「タロー、お前はいい子だよ。
母ちゃん、信じてるよ。」って。

父ちゃんも言ってたよ。
「お前がいい子にしてたら、母ちゃん早く治るぞ。」って。

だから、おいらいい子になったんだ。




ペット(犬) ブログランキングへ

2016年5月2日月曜日

タロー川柳 その2








黒いよね 顔は怖いし デカいしね

誰もが同じことを言う

俺だって 好きで大きいわけじゃない

一度でいいから なってみたいぜ 可愛いパピー        太郎





ペット(犬) ブログランキングへ

2016年5月1日日曜日

タロー川柳 その1







こんな手で ちったか ちったか 打ってます

だから読んでね おいらのブログ               太郎





ペット(犬) ブログランキングへ

2016年4月30日土曜日

もやしケーキ


「タロー、お前もうすぐ10ヶ月になるんだね。
早いもんだねー。
母ちゃんも年を取るわけだ。」

いやいや、おいらが来た時には、母ちゃん既にいい年だったろ?
おいらのせいにするなよな!

「10ヶ月は節目だからね。
お祝いしなくちゃね!
ほーら、ケーキだよ。
お前が好きなまぁるいの。



わーーーい!

ろうそくもいっぱい立ってるね!
100歳までも、いやいや200歳までもおいらに生きろってことかな?



でもさ・・・母ちゃん・・・
このケーキ、おいらが知ってるのとちょっと違うぞ。
臭いも違う。
あんまり、食べたいって気がしないんだけど・・・。





これってさ・・・
もしかして、もやしってやつじゃないの?


ペット(犬) ブログランキングへ