生後4ヶ月までネグレクトされていたGS(ジャーマンシェパード)が幸せに向かってダッシュする! みんなにダメ犬呼ばわりされたおいらだけど、明日はきっとヒノキになるあすなろタローだからな! スポンサーリンク
2016年4月10日日曜日
無事生還 その1
それは火曜日の朝のことだった。
起きてきた母ちゃんは、おいらのクレートの前でこんなものを見つけた。
これが何なのか、母ちゃんにはすぐにわかった。
クレートの中に目をやると・・・
「うわっ!」
母ちゃんは思わず叫んだ。
クレートの中はおいらの吐しゃ物で覆われていて
綺麗好きのおいらは、それらに触らないように、大きな体を縮こめるように座っていたんだ。
吐しゃ物の中には、似たような物体が合計8個入っていた。
そう、おいらはやっぱり食っちゃってたんだ。
父ちゃんが捨てたおもちゃをゴミ箱からくすねてきたんだよな。
それが、約1か月半の時を経て一気に噴出しちゃったってわけよ。
鮮やかな赤い色が、おいらの胃液で退色して、こんなシックな色になっていたんだ。
そして、そこからが大変。
吐くわ、吐くわ、吐くわ、もう止まらない
スリルとサスペンスのノンストップゲロリング。
治まったかなと思って、ちょっとご飯を食べると
食べたものが、そのままの形ですぐ吐き出される。
母ちゃんはポンコツの状態で1日中おいらの吐しゃ物を掃除するハメになった。
あんまり何度も吐くと、おいらの体力も消耗してきて
母ちゃんに12時間の絶食絶水を言い渡されたんだ。
でも、この時のおいらはそんなの全然辛くなかったんだ。
だって、何も食べたくなかったんだもの。
食べることに障害があるおいらには、これは明らかに異常事態なんだ。
夕方になると、おいらはどんどん衰弱していって
暗いところにうずくまって、息を荒くして、ほとんど動かなくなったんだ。
動物が『死』を覚悟した時に取る、典型的な行動ってやつだ。
さて、ここからが母ちゃんの本当の修羅場の始まりよ。
そして、こういう時に限っていないのが、おいらの父ちゃんの運のいいところなんだな。
おいらの母ちゃんは、日本時間に合わせてコンピューターで仕事をしているんだ。
だから、カナダ時間の昼間に寝ておかないといけないわけよ。
でも、この日の母ちゃんはお昼寝できてない。
そのままおいらの様子を見ながら、徹夜で仕事して
翌日の朝一で、獣医の先生に往診をお願いしたんだけど
おいらの様子では、レントゲンと超音波の検査が必要だから
どうしても、病院に行かなくちゃならなくてさ
免許を持っていない母ちゃんはタクシーを呼んで、おいらを病院に連れて行ったんだ。
バンクーバーのタクシーは、会社によってはドッグフレンドリーをポリシーにしていて
おいらたち犬も乗せてくれるんだ。
これ、助かるよね。
病院に着いたら、いつもは冷たい先生がすごく優しくしてくれた。
母ちゃんの2日洗っていない上に徹夜明けのやつれた顔に同情したんだろうな。
確かにおいらから見ても、実年齢+20歳って感じだった。
初めにレントゲンを撮ったんだけど
実は、ゴムってレントゲンでは映し出されないのよ。
あるのに見えない
これがゴムの本当に恐ろしいところなんだ。
ただ、直腸付近の大腸に明らかに異常があって
ある部分までの大腸にガスが充満していてパンパンに膨れていたんだ。
はーい、腸閉塞確定!(^O^)/
次は体内のどこにゴムが詰まっているか確認するために超音波の検査が必要なんだけど
この病院には超音波の設備がないんだ。
そこで、提携している別の病院に行くように指示されて
タクシーに乗ること、30分。
すごいハイエンドな病院だな、ここは。
ロケーションもバンクーバーでは指折りの地域にあって
1回の診察で$1000以下はあり得ないって言われている病院なんだ。
患者として来ている犬も、みんな血統書がついているような人間界では立派な犬たちばかり。
その父ちゃん母ちゃんも、あら素敵!な恰好をした人たちばかり。
顔を洗っていない、しかも顔に血が滲んだ傷があって
ゲロ掃除から病院に直行したあられもない恰好の母ちゃんと
野性味溢れるおいらの存在は、そこでは間違いなく異次元空間を作っていた。
いつもの獣医が連絡を入れてくれていたお陰で
おいらはスムーズに超音波の検査を受けることができたんだけど・・・
おいらが診察室に入って15分後
「タロー君のお母さん、ちょっと・・・」
もう、この時の母ちゃんは、不良少年の親が学校の先生に呼ばれたような気持だったに違いない。
「タロー君、ちょっと元気が良すぎるので、鎮静剤を打たせてもらってもいいでしょうか?」
言い方も実にハイソサエティな感じだ。
「もちろんです。よろしくお願いします。」
って言うしかないよな。
はーい、+$70確定!(^O^)/
超音波検査の結果、おいらの腸の中のゴムが全部確認されて
いきなり開腹手術をしなくても、下痢で排出することができるかもしれないと言われ
母ちゃんはものすごく喜んだ。
一晩中の下痢は、自宅では面倒見切れないだろうってことで
おいらはこの高級動物病院に1泊することになったんだ。
こうして母ちゃんはおいらを置いて、1人で家に帰っていった。
この時点で夜8時。
もうお仕事の時間。
はーい、完徹2日目確定!(^O^)/
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