今日は降ったり照ったり変なお天気だったんだ。
母ちゃんは風邪ひいて熱出してポンコツ。
父ちゃんは鮭漁に出掛けて留守。
それを知ったCodyの母ちゃんがおいらを車でドッグランに連れて行ってくれるって言ってくれたんだ。
わーい！ 車でお出かけ嬉しいぞ！
みんなでお出掛けなんて、ピクニックみたいだな！
でも、母ちゃんがダメだって言うんだ。
おいらは家ではいい子だけど、他人の手の下でいい子かはわからない。
Codyと一緒に遊んでいて興奮したら、どこに飛び出していくかもわからない。
おいら1頭でも手に余るっていうのに、大型犬2頭連れてのお出掛けがどんなに大変なことか、母ちゃんはよくわかってるからね。
１＋１＝∞ になっちゃうんだよな、おいらたちは。
ちぇっ！
ってな訳で、おいらはCodyとCodyの家の庭で遊ぶことにしたんだ。
それでも母ちゃんにはすごく助かる。
おいらを散歩に連れて行ってぶっ倒れたら困るもんな。
Codyのおうちの人たちは本当に親切で、おいらの父ちゃんと母ちゃんを積極的に助けてくれるんだ。
ご飯つくってあげようか？
代わりに買い物に行ってあげようか？
病院に行く時は車を出してあげようか？
おいらの父ちゃんと母ちゃんも、大工仕事やお料理でできるだけのことをしてあげたいって思ってる。ご近所に互いにこう思える人たちがいてくれると本当に助かるよな。
おいらの父ちゃんと母ちゃんは、カナダに来て8年。
お友達はたくさんできたけど、ここに兄弟や親戚は1人もいない。
それでも、何かあれば人種に関係なく誰かが必ず手を差し伸べてくれる。
父ちゃんと母ちゃんも困っている人がいればできるだけのことはしてあげる。
これは『三代前まで遡ればみんなが移民』というカナダならではの風土なんだと思う。
他人の国に移民してきた当初は、誰でもみんな何かしら困ることがある。そういう時は、先輩移民が助けてくれる。
うちの爺さんも英語が喋れなくて困ったって言ってたよ。
うちの母ちゃんもここの気候に慣れなくて苦労したんだって。
私も来たばかりの頃は、買い物にも困ったわ。
そんなエピソードを全員が持ってるんだ。
時に意地悪な人や、困っている人を利用してやろうとする人もいるんだけど、1度や2度嫌な思いをするのも勉強だよな。
おいらの父ちゃんと母ちゃんみたいなおっぺけぺー夫婦でも、なんとか暮らしていけるのも、きっとこの大らかな風土のお陰なんだろうな。
だから、おいらは母ちゃんが風邪引いても、父ちゃんがおいらの食糧確保で不在でも、不自由なく日常が送れるんだな。
みんな、みんな、ありがとうな。
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