それは10月23日月曜日のことだった。
父ちゃんはうちから100km東の川に鮭を釣りに行ってて留守だった。
お昼頃、おいらはCodyの家に不穏な気配を感じて、Codyの家が見えるところまで庭を走っていった。
おいらのただならぬ様子に、母ちゃんもよろよろとおいらの後を着いてきた。
Codyの家の敷地内に誰かが入っているのが見えた。
ただの訪問者のようには見えない。
だって、家の端から端まで様子を伺うように行ったり来たり、覗き込んだりしてるんだもん。
Codyの家族はスリランカからアメリカ経由で移民してきた人たち。
交友関係もスリランカ特有の穏やかな顔をした中年の人たちばかり。
でも、今Codyの家を覗き込んでいる人は中東の顔をした若い人。
どうしたんだろうな?って思ったおいらと母ちゃんはその人をずっと見てたんだ。
おいらと母ちゃんに気がついたその人がおいらたちの方にやって来た。
そしてこう言ったんだ。
こんなデカい犬を敷地内に放しておいたら危ないじゃないか!
この犬はGSだろ?Dangerous Dog(危険犬)じゃないか!
おいらと母ちゃんは頭が???
おいらはその人に吠えてないし、もちろん噛んだりもしていない。それどころか触ってもいない。もちろんGSはDangerous Dogじゃない。
Dangerous Dogっていうのは、国や市から授けられる『獰猛な犬』としての有難くない称号で、おいらの市で生まれながらにDangerous Dogと定義されているのはピットブルとブルテリア、そしてその血を引いている犬。
その他、人や他の動物に危害を加えたりすると、犬種に関係なくDangerous Dogとされるんだ。一旦Dangerous Dogに指定されると、毎年市に払う登録料が10倍くらいの金額になり、公営のドッグランには立ち入り禁止、更に散歩の時にはマズル装着が義務付けられる。
つまり、手かせ足かせでがんじがらめにされて余生を送らなければならなくなるんだ。
これがDangerous Dogだってよ(笑)
しかも、ここはおいらの家でおいらの庭。
自分の敷地内でおいらが大人しく寛いで誰に何の文句を言われる筋合いがあるんだよ?
言ってやれよ、母ちゃん。
けど、こんな時に限って母ちゃんは肋膜炎で胸が痛くてたくさん喋れない。
世の中には頭がおかしい人がいるんだねー。
そこそこイケメンなのにもったいないねー。
クリスマスまであとわずかになったこの時期は泥棒さんたちの下見のピーク時期でもあるんだ。
だから、母ちゃんは仕事に出ていたCodyの母ちゃんに事の顛末をメッセした。
Codyの家は3年の間に2度強盗に入られ、2度目はナイフで殺されかけたっていう経験があるから、Codyの母ちゃんはすぐに警察に連絡したんだ。
家の中で1人ぽっちで留守番しているCodyに何かあったら大変だもんな。
5分もしないで警察が来て、母ちゃんは
そしたらね、30分後にその人は見つかったんだ。
警察官が職質かけたら、その人はgutter cleaner(屋根の樋に詰まったゴミをきれいにする人)でこの辺を営業してたってことで、そのまま釈放されちゃったんだ。
なあ、お巡りさん。
ちったぁ、考えろや。
月曜の正午に住宅地に営業かけたって、在宅している家なんてほとんどない。
自営業者がそんな無駄なことするかよ。
それに、本当にその人がそんな仕事の人なら、なんでおいらの母ちゃんに営業しないんだよ?母ちゃんは在宅してただろ?
まあ、何はともあれ、Codyの家に何事もなくよかったっておいらも母ちゃんも思ってたんだ。
ところがね・・・
長くなるからまた明日~
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