2017年11月13日月曜日

おいらのままで


昨日の続きだよ。
昨日の件はここから読んでね。

→ 残念なイケメン

それから2時間くらい経った頃、おいらはまた不穏な空気を感じて庭にすっ飛んで行ったんだ。


そしたら、なんと!さっきのイケメンなのに頭が残念な男がおいらの家の写真を撮ってるんだよ。

何しているのか母ちゃんが聞いたら


お前の犬はDangerous Dogだから当局に通報してやる!


ああ、この兄ちゃん、頭にウジ湧いてんだなって思った母ちゃんは

どうぞ、どうぞ、お好きなように。
GSはDangerous Dogじゃありませんから。

って言ったら、

GSは絶対にDangerous Dogなんだ!
お前は物を知らないバカだ!勉強しろ!

ってカタコトの中国語で怒鳴り散らして車で走り去っていった。
そう言えば、この辺の強盗団はアジアの言葉なら何でも話せるんだよな。

いやいや、お前が勉強しろよ。
って母ちゃんは腹立たしく思ったんだけど、同時に心配にもなった。


この粘着質なおっぺけぺーが、おいらに噛まれたとか嘘ついて役所に通報したらどうなるんだろう?とか、おいらの庭に毒入りの美味しそうな食べ物を投げ込まれたりしたらどうしよう?とか、いろんな悪意を想像して母ちゃんはぞっとしたんだ。

実際、美重子おばちゃんが以前飼っていたラッキー君は、献血をしたり、病人を癒すボランティアドッグだったにも拘らず、悪意ある通報によってちゃんと調査されることもなく、Aggressive Dog(市によって呼び方が変わるんだけど、Dangerous Dogと同じ意味)に指定されちゃったんだ。
犬の献血はAggressive Dogはできないことになっているから、献血を継続的にしていたことがラッキー君がAggressive Dogではない何よりの証拠なのに、一旦出されたジャッジは覆ることはなかったんだ。
それにさ、そんな危ない犬が病気の子どもとふれあうボランティアができるわけないだろ?
因みにラッキー君は亡くなった後も、Canadian Blood Servicesの入り口にボランティア犬として大きな写真が飾られてるんだ。
誰がいい加減なジャッジを下そうと、ラッキー君が確かに人に尽くして立派な人生を送った犬だったことは、ふれあった人たちなら誰もが知っている事実だ。

そんなラッキー君の悔しい経験があるから、美重子おばちゃんは今回の件を親身になって相談に乗ってくれているんだ。


そんな美重子おばちゃんのアドバイスで、母ちゃんは先手を打ってこの件を警察に通報し、市役所のペットを管理する部署にも連絡した。

「私はある事件を目撃したために、犬をDangerous Dogとして通報してやると脅されています。私の犬はきちんと社会化訓練された2歳のGSで、人や動物に危害を加えたことは一度もありませんし、近所の子どもたちからも愛されています。
もし、私の犬を通報する人がいたならば、審査結果を出す前にきちんとした調査とRCMP(カナダ警察)の○○巡査に確認をお願いします。」

以降、おいらが庭に出る前には父ちゃんが庭の周りをぐるっと見て回る。
おいらが食べたら大変なことになりそうな物が投げ込まれていないか確認するんだ。

そしてこの日から、父ちゃんと母ちゃんはじわじわくる恐怖に頭を痛めることになったんだ。
月曜から金曜の正午から3時くらいにその男と同じ種類の顔をした人が、時に1人で、時に複数人連れだっておいらの家の周りを見て回る。
おいらの家の写真を撮って、誰かに電話しながら、じろじろとおいらの家の様子を伺うんだ。けれど、別に敷地内に侵入してくるわけでも、おいらに直接何かするわけでもないから、警察に電話もできない。
無言の嫌がらせってやつだ。
夜は夜でおいらは変な気配を察知して毛を逆立てて吠える。
今までにはなかったことだ。
そうすると父ちゃんがハッと飛び起きて、家の周りを見て回る。
いたずら電話が増えた。
そんな毎日なんだ。


なあ、母ちゃん。
もしかして、おいら余計なことしちゃったのか?
Codyの家に入った人を見て見ないふりをした方がよかったのか?

タロー、そんなふうに考えたら悪い人の思うツボだよ。
人間の世界のことは父ちゃんと母ちゃんが片付ける。
お前は自分の能力の限りを尽くして正しいことをした。
これからも、そのままのタローでいてね。
父ちゃんも母ちゃんもお前に感謝してるよ。







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2 件のコメント:

  1. お久しぶりです。
    ブログへ復帰されて(お元気になられて)とでも安堵しましたし、嬉しく思っていました。

    それなのに!大丈夫ですか?
    あくまで私の個人的な思い込みかもしれませんが中東系の人には過激なイメージがあります。怖いです。
    タロ-父さん母さん、タロ-くんが心配です。
    特に身体がまだ本調子でないときに。

    一日も早く、解決しますように‼
    体調が悪くなったりしませんように日本から祈る事しかできませんが、祈っています。

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    返信
    1. 藤村幸代さま

      ご心配かけてしまい申し訳ありません。
      こちらに来て、初めての怖い体験でした。
      最近は雨が降っているせいか、嫌がらせの頻度も減り、いまのところちょっと安心しています。

      常識が違う人たちは話し合って解決できないこともあるので、あまり関わりたくないというのが本音ですが、タローを守るためには戦わなければならないこともあるのかもしれません。

      クリスマスシーズンが終わることを指折り数えています。

      いつもありがとうございます。

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