あすなろタロー　ただいま修行中: 流血のファミリーデイ　無責任な飼い主

カナダにはファミリーデイっていう祝日があって、おいらが住んでいるBC州では2月の第二月曜日、その他の州および準州では第三月曜日が祝日なんだ。
土日と合わせて3連休になるから、家族団欒に励みましょうってことなんだ。

幸い天気も良かったし、おいらと父ちゃんと母ちゃんの3人で公園に行って、かなり長めのお散歩をしようってことになったんだ。
おいらたちが行った公園はドッグランじゃないんだけど、人がいない時だけ、人にも他の動物にも安全な犬は飼い主の自己責任でリードを外して遊ばせることができる。
その代わり、小さな子どもたちが来たり、犬が興奮したりしたらリードを装着する。
人間優先なんだけど、犬にも大らかに開放してくれている公園なんだ。
こういうところで事故があれば、すぐにこの公園の規則が変わっちゃうだろ。
だから、どこの父ちゃん母ちゃんも💩💩💩の始末や遊ばせ方に気を配っているんだ。

近所のドッグランで不本意な事故があってから

→　おいらの忙しい1日

この公園によく来るようになって、新しい友達がたくさんできたんだ。
おいらが行くと、馴染みの奴らがおいらのところにやってくる。
おいらもみんなに挨拶して楽しく遊ぶんだ。
父ちゃんと母ちゃんも、他の飼い主さんたちと楽しくおしゃべりして情報交換する。

なにしろおいらはデカイから、他の犬たちに優しくしなくちゃいけない。
他の犬に吠えたり、歯を立てたりしたら、父ちゃんにこっぴどく叱られる。

昨日はニューフェイスのハスキーの女の子がいたんだ。
青い目をしているからか、名前もブルーって言うんだ。
ブルーの母ちゃんは、おいらの母ちゃんよりちょっと若いインド人。
~~女好き~~フェミニストのおいらは、ブルーがおいらの匂いを嗅ぎたいって言うからされるがままにしてたんだ。
女って怖いよな。
いきなりおいらの顔を噛むんだぜ。
ブルーの牙がおいらの歯茎を垂直に貫いて、口の中が一瞬で血の海。
口の中に溢れる血がポタポタ地面に落ちる。
周りの人たちもびっくりしてた。

その時のおいらの血

おいらはお転婆のブルーにお仕置きしてやろうって思ったんだけど、父ちゃんがNO！って言う。
だから、おいらは我慢したんだ。
父ちゃんがおいらの傷を見ていると、周りの人たちも心配しておいらの周りに集まってきた。おいらちょっと恥ずかしい(*ﾉωﾉ)
だけど、ブルーとブルーの母ちゃんは何も言わずに姿をくらました。

そりゃ、ねーだろーよ。

おいらは男の子だから、怪我しながら成長していく。
けど、怪我しながらっていうのと、怪我させられながらっていうのは違うし、これが逆の立場だったら、おいらの母ちゃんなら「申し訳ありません。すぐに一緒に病院に行きましょう。」って言うぜ。
それが犬の飼い主の矜持ってもんだろーが！

父ちゃんと母ちゃんはブルーの母ちゃんの決着の付け方に物凄く頭に来て、ブルーを通報してやろうと思ったんだけど、母ちゃんは思い留まった。
この公園で事故が起こったということになれば、ブルーがペナルティを負うだけでなく、他の犬たちももうここでは遊べなくなっちゃうかもしれないもんな。

おいらみたいなデカイ犬にも噛み付くブルーは、またどこかで事故を起こすかもしれない。
ブルーの母ちゃんのやり方だと、犬にも人にもいい結果はない。
自分の犬がやってしまったことに責任が取れない飼い主は、みんなで追い詰めると犬を処分して自分だけ安全圏に逃げ込もうとすることがままある。
おいらは逆にそんな飼い主を持ったブルーを不憫に思うよ。

ブルーはとんだじゃじゃ馬娘だったけど、飼い主はまじチキンだもんな。