あすなろタロー　ただいま修行中: 近所で山火事

今月の28日のこと。
おいらの父ちゃんと母ちゃんは美重子おばちゃんに会うためにハイウェイを車で走ってた。

そしたらね、嫌なものを見ちゃったんだ。

どう見ても火事だよな。
しかもこの方向には建物がないから、山火事だよな。
周りで消防車のサイレンがウーウー聞こえる。
この近辺から凄い数の消防車が出動してるってことは、火事はかなり近くて、かなり大きいってことだ。

母ちゃんが家に帰ってからネットで調べてみたら、おいらの家からわずか7kmの森林公園で、カナダの全国ネットでニュースになるほどの火事があったことがわかった。
去年もBC州では山火事がひどくて、母ちゃんは喘息の発作でダウンした。
一番近いところでうちから80kmのところだったんだけど、それでも煙で空の色が変わるほど空気が悪くなったんだ。

→　大気汚染　バンクーバーの空は非常事態

それが今年は7kmしか離れていないところで山火事が起こった。
燃え続けて今日で4日目になるんだけど、まだ鎮火できていないんだ。
なのに、母ちゃんはピンピンしてる。
空もきれいだ。
有難いことに風向きが逆方向なんだよな。
火事の風下方向には、本当に有難いことに民家がほとんどない。
不幸中の幸いだよな。

森林大国カナダにとって、毎年山火事は頭が痛い大問題。
山火事の原因は落雷や強風による自然発火の場合もあるんだけど、半分以上は人為的原因によるもの。
今回のこの山火事も、公園内で寝泊まりしていた人による放火が疑われているんだ。

山火事は山や木を焼いてしまうだけじゃなく、そこに住む動物たちも大量に焼き尽くす。
この公園はほとんど人の手が加えられていないほぼ自然の森林公園で、コヨーテ、クーガー、シカ、アライグマ、野ウサギを始め、たくさんの種類と数の動物と鳥、昆虫が何十年、何百年とここで暮らしていたんだ。
火事を逃れた動物たちも、この公園から一歩出れば、大きなハイウェイが幾重にも重なる自動車地獄が待っている。
おいらは心が痛いよ。

どんな動物も、ストレスがマックスになると咄嗟に何をするかわからないことがある。
おいらたちだって人を噛むこともあるし、人間だって刃物を振り回しちゃう人とか時々いるだろ。
でも、放火っていうのはかなり最悪なストレス発散だと思うぞ。
荒れ狂う炎は命を忖度することなく、触れるもの全てを燃やしてしまう。
本人の未来も含めてな。
突きつけられた結果は、どうやっても償いきれない。

ストレスの発散はせいぜいこのくらいで留めておこうな。