秋の畑

おいらは毎朝父ちゃんと5km走って、夕方母ちゃんとドッグランに行くのがデフォなんだけど、最近は朝も夕方も父ちゃんとランニングだった。
父ちゃんは1人ではおいらをドッグランに連れて行ってくれないんだ。
ドッグランに来ている他所の父ちゃん母ちゃんに英語で話しかけられるとドギマギしちゃうからだろうな。

おいらの母ちゃんは喘息持ちで、山火事の煙が空を覆っている間、ずっと外に出られなかったんだ。
左肺がもともとほとんど機能していない母ちゃんが喘息になると、呼吸が苦しくなって酸素が脳と体に行き渡らなくなるからヤバイんだ。

なんとか発作が収まって、母ちゃんが久しぶりに外に出てみると、外はもう秋の気配。
庭の隼人瓜がもう食べ頃になってることに気がついた。
今年は温かくなるのが遅かったから、なかなか蔓が伸びなくて、収穫できないかも？って心配してたから、母ちゃんはすごく喜んだ。

隼人瓜は別名千成瓜っていうだけあって、すごくたくさんの実をつけてくれるんだ。
去年の夏はとても暑くて、278個の隼人瓜が穫れたんだよ。

隼人瓜っていうのはすごく有難い瓜なんだって。
生だときゅうりの代用になるし、煮ると冬瓜や蕪の代わりに使える。
炒めたって美味しいんだぞ。
しかも、隼人瓜の暴走する蔓は穂先を切れば龍髭菜（ロンシーツァイ）という超高級野菜になる。
鶏ガラ出汁でピータンと煮るととっても旨いんだって。

ふと棚の横を見るとおお！

白瓜も実をつけたね。
これは鉄砲漬けを作るための瓜なんだけど、炒めるとナスみたいな食感で美味しいんだってさ。

おいらの畑は3坪くらいのものなんだけど、きゅうり400本、隼人瓜250個、トマト400個、いんげん2000本、その他40種類くらいの野菜を毎夏産出するんだ。
素人のオーガニック家庭菜園としてはまずまずだよな。
ま、おいらのお陰だけどな。

既にいんげんとさやえんどうを撤収して、きゅうりもそろそろ終わる頃。
明日は畑に木炭を撒いて秋の種播きをするんだって。
ほうれん草、水菜、ターツァイ、大根を植える。
バンクーバーの秋は短く冬が異常に長いから、これから作れる作物はすごく限られる。
おいらはまたたくさん飯を食って、大量の💩💩💩で貢献するんだ。

だから母ちゃん、早くよくなっておいらをドッグランに連れて行けよな。
おいらだって友達と遊びたいよ。

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