2017年9月1日金曜日

犬を信じよう 命がけの真心


中国でこの間起こった実話なんだけど、悲しい話だから苦手な人はスルーしてね。


中国の都市部で働いていた男性が奥さんと離婚して、財産も全部奥さんに渡すことになり、失意のまま故郷の貴州省に帰って来たんだ。
貴州省っていうのは四川省の南東にある炭鉱が盛んなとてつもない田舎で、都市部から離れた普通の家々は石造りが普通なんだ。

その男が貴州に帰ると、間もなく子犬を拾ったんだ。
淋しかった男はその犬を家に連れて帰って育てることにした。
1人ぼっち同士の暮らしは互いに孤独を埋め合って、それなりに楽しくて、男もその犬をとても可愛がった。
寝るのも食べるのも、どこに行くのも一緒。
文字通り人生の相棒になったんだ。



そんな相棒との生活がある日突然崩壊したんだ。
ついこの間のこと。

家の中で2人で寛いでいると、犬が突然男に向かって唸り声を上げたんだ。
男は驚いて家の外に飛び出した。
家に戻ると、また犬が男を威嚇する。
男が外に出ると犬の唸り声が止む。
そんなことを繰り返すうちに男も腹が立ってきた。

「ここは俺の家だ!嫌ならお前が出て行け!
この恩知らずめが!」

すると犬が男の足に噛み付いた。
甘噛みじゃなくて本気噛み。
怒った男は棒で犬を殴りつけた。
殴っても殴っても、犬は男を家から追い出そうとする。

往来まで出た男は犬を棒で殴った。
それでも犬は男が家に入ることを許さない。
怒った男も本気で何度も何度も犬を殴り、遂にその犬は絶命してしまったんだ。

次の瞬間だった。
大地が大きく揺らいで、周辺の石造りの家々が一瞬でぺしゃんこになったんだ。
2017年8月28日の貴州大地震。
石でできた男の家も見る影もない有様だった。
呆然としながらも、男は一瞬で悟った。


犬は自分に逆らったんじゃない。
家から出して助けようとしたんだって。

自分の孤独を埋めてくれた最も信じるべき相棒に自分がしてしまったことを呪って、男は大泣きしたっていう話。

おいらたち犬の中には、4頭に1頭の割合で天変地異を予知したり、人や動物の「死」の臭いを知覚する能力を持ったやつが確かにいるんだ。
こいつもそういう犬だったんだろうな。
猫なんかもっとすごいぞ。
約40%が地震を予知できるっていう研究結果もあるんだ。

だからな、母ちゃん。
おいらが突然普段と違うことをしても、ちゃんとおいらを信じろよ。
おいらたち犬には、人や仲間を裏切るという余計な機能はついていないんだ。
毎日無数の犬がこの世界のどこかで人に裏切られて命を落としていくけど、犬は人を裏切ったことなんかないんだよ。
犬は人を見限ることはあっても裏切ったりしないんだ。

何でも数字に換算しないと理解できない人は犬をバカだと思っているかもしれないけど、全く違う能力を持った全く違う生物だってことをそろそろ理解しろよ。
数字なんてただのインジケーター。
本質は表現してくれないんだよ。

人間は「今」しか見えないけど、犬はその先が見えることがある。
人間は「表面」しか見えないけど、犬はその奥が見えることがある。
人間には計り知れない能力と情を持った生き物なんだ。

だから、感情に任せてボコボコ殴ってんじゃねーよ!






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2 件のコメント:

  1. はじめまして。毎日、タローくんの日記を楽しみに読ませていただいています。
    今回は、はじめてコメントさせていただきます。

    貴州での大地震の記事を読みまして、東北大震災を経験した私も感じることがありコメントをさせていただきました。
    私自身、愛犬にあの日助けられた者です。
    あの日は、愛犬の散歩に出かけておりました。いつもは、1時間くらい歩かないと気の済まない愛犬が散歩を開始して10分くらいで急に来た道を引き返し、リードをぐいぐい引きながら家へ向かって帰ろうとするのです。
    「もう帰るの?終わりでいいの?」そう聞いても一心不乱ではじめてあんなに必死に家に帰ろうとする愛犬を見ました。
    家に帰り着き、5分後。
    マグニチュード9の揺れに襲われました。
    家には、祖父母もおりましたので、急いで近くの広い畑に避難しました。
    幸いにして、山手の方でしたので津波に襲われることはありませんでしたが、家の中は家具が倒れぐちゃぐちゃ。
    もしも、散歩をいつものように1時間もしていたら、家の中から祖父母を外に避難させることはできなかったかもしれない。家具が倒れて怪我をしていたかもしれないと思うとぞっとしました。
    愛犬が引き返さなければ・・。
    今思えば、何かを感じ取っていたのだと思います。
    辺りは暗くなり、家の中の片付けはすぐにはできないと避難所に行き、一夜をすごしましたが、その時愛犬はぐっすり寝ていました。(犬は中に入れないので車の中で)
    安心したのかもしれないし、この場所では静かにしなければならないと感じたのかもしれません。

    犬は、言葉を話せなくても私たちに必死に伝えてくれようとしているのですね。
    あの時、愛犬がいなければと今でも思いますし、とても感謝しています。
    その愛犬は、震災後三年、15歳、老衰で虹の橋を渡りました。

    決して、犬は飼い主を裏切らない。その通りだと思います。
    言葉を話せなくても彼らの「信じる」「思いやる」気持ちは人間のそれを超えるものでしょう。
    私たちも彼らを信じ、感謝していかなければならないなぁと思います。
    大切なパートナーとして。
    改めて、考えさせられました。ありがとうございます。

    現在は、新たなパートナー(雑種のわんぱく坊やです)を迎えて毎日大運動会です。
    それでも毎日、お互いの気持ちを大切にしています。

    貴州での大震災が少しでも早く安心な場所へ人々が避難し、少しでも安心して過ごせますようお祈りしています。

    とりとめのないお話になってしまいましたが、今後もタローくんの毎日を楽しみにしています。
    お身体を大切にしてお過ごしください。

    返信削除
  2. miUさま

    コメントありがとうございます。
    やはり、犬はわかるのですね。ご家族の皆様がご無事で何よりでした。
    miUさんのワンちゃんは立派にお役目を果たされましたね。
    タローは肝が据わりすぎていて、侵入者以外は地震も火事もスルーですが、以前会社で飼っていた犬は事前に落雷を察知できる子でした。コンピューターの仕事をしていたので、その子の能力には本当に助けられたものです。

    犬を始めとする動物たちには人間にはない素晴らしい能力が備わっていて、私たち人間が助けられることが多いと思っています。お互いにできないことを補完し合えるいいパートナーになれるはずなのに、不幸な犬たちが多い現実をとても切なく思います。

    これからもお互いに犬を大切なパートナーとして、助けて助けられてのwinwinでありたいですね。
    どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

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