あすなろタロー　ただいま修行中: しばらくでした！

おいらの家にミミおばちゃんが日本からやって来た。
ミミおばちゃんはおいらの父ちゃんの妹で、日本に住んでいる。
父ちゃんは4人兄弟なんだけど、うち2人が日本、1人がオーストラリア、父ちゃんがカナダって具合に本国中国には誰も住んでいないんだ。

ミミおばちゃんは末っ子なんだけど、他の兄弟たちに対して一番面倒見がよくて、おいらの家もよくお世話になっている。
父ちゃんのPCが壊れると、日本から送ってくれるのはミミおばちゃん。
母ちゃんが日本の味が恋しくなると、美味しいものを送ってくれるのもミミおばちゃん。
だから、父ちゃんも母ちゃんもミミおばちゃんにお礼ができる日を楽しみにしてたんだ。

おいらの家の玄関にお客が来ると、まずは皆おいらの審査を受ける。
おいらは人が発する匂いで、その人がおいらの家に友好的な人かどうかわかるんだ。
ミミおばちゃんはおいらとは初対面なのに会った途端に

タローはいい子ね♡

なんて言ってくれちゃってさ、おばちゃんさすがお目が高いぜ！

ミミおばちゃんとおいら

ミミおばちゃんも日本でラブラドールを飼っていて、犬の匂いもするもんだから、おいらはミミおばちゃんを押し倒す勢いでジャンプして、舐めまわして、尻尾を振りまくった。
ミミおばちゃんのラブラドールは1歳で、やんちゃ盛り。
おいら同様、世の中が、毎日が、楽しくて楽しくて人の話なんか聞きゃあしないお年頃。
正直、ミミおばちゃんとおばちゃんの旦那さんは頭を抱えてた。
「うちの犬はちょっとおかしいんじゃないの？」
って、思ってた。
おいらを見て
「うちの犬がタローみたいだったらいいのに・・・。」って言うけどさ
おっとどっこい、ミミおばちゃん。
おいらはおばちゃんのラブラドールよりもっともっと酷かったんだぜ。
犬に慣れているSPCA（動物虐待防止協会）の職員や獣医、訓練士、みんなが
「この子はちょっと難しいかもね。」って顔をしかめたんだから。

それでもおいらのやんちゃは父ちゃんと母ちゃんの覚悟には敵わなくて、結局いい子になるしかなかったんだ。
ミミおばちゃんの犬もきっといい子になるよ。
だから、諦めないで信じてあげて。

一行はバンクーバーを一通り観光して

スティーブストン漁港

クイーンエリザベスパーク

買い物して、カジノで遊んで

リバーロックカジノ

あとはおいらと遊ぼうよ！って思っていたら
奴らは国境を越えてアメリカのシアトルまで遊びに行って

シアトルアウトレットモール

シアトル旧市街

ボーイング社航空博物館

フィッシャーマンズワーフ

帰って来たらすぐにウィスラーに行っちゃったんだ。
ウィスラーっていうのは、おいらの家から100kmくらい北に行ったところで、世界中のスキーヤーの聖地。
夏はさすがに雪は少ないんだけど、ゴンドラに乗って標高2880mの山からの景色を見ることができるんだ。

峰と峰をつなぐ吊り橋　足の下は2880m！

山頂にある貯水池

ウィスラーヴィレッジ

おいらは一緒に連れて行ってもらえなくて、ペットホテルでお留守番。

おいらの定宿のペットホテルは警察から警察犬の訓練を委託されているところで、おいらたち宿泊犬にもサービスで簡単な訓練をしてくれるんだ。
おいらたちGS（ジャーマンシェパード）は訓練が好き。
何かに挑戦して、成功した時の達成感と、褒められることが何よりの生き甲斐。
だから、ここに預けられるならお留守番も悪くない。
今回は4日間泊まったんだ。
母ちゃんと離れられないおいらにはとてつもない冒険だったけど、おいらより父ちゃんの方が淋しかったらしいぞ。

おいらが家に帰って来た日、空はとてつもなく煙たかった。
今年も山火事があちこちで起こったんだ。
翌々日にはミミおばちゃんたちは日本に帰る。
日本では滅多に見られない突き抜けるほどの青空と、気持ち悪いくらい点々とした星空と、運が良ければ見られるオーロラを見せてあげたかったんだけど、見渡す限りの煙。
ミミおばちゃん、また来いよな！

母ちゃんもお料理と観光の通訳として頑張ったんだけど、山火事の煙には勝てなくて、ミミおばちゃんたちが帰った日から喘息の発作でしばらく寝込んじゃった。
今日、やっと咳が収まってきてしゃべることができるようになったんだ。
山火事もなくなって、気が付いたら世の中はもう秋じゃん！

日本では台風に地震と立て続けに起こって、おいらもとても心配してる。
被害に遭われた皆さんに心からお見舞い申し上げます。