あすなろタロー　ただいま修行中: 北海道胆振東部地震

カナダ太平洋時間の9月5日の昼だった。
母ちゃんはいつもの通りTVをつけて、編み物をしてたんだ。
目は編み物に集中してて、耳だけぼんやりTVのニュースを拾ってたんだ。
そしたらね、白人キャスターがおぼつかない発音でホッカイドーって連呼してる。
母ちゃんがTVに目を向けると、家がぐしゃりと潰れてる映像が飛び込んできた。

おいらは台風21号が北上したのかな？と思ったら、大地震だって言うんだよ。
母ちゃんは慌てて日本語チャンネルに切り替えて、NHKのニュースに集中したんだ。

北海道にはちょめさんっていう母ちゃんの大事なお友達がいるんだ。
ちょめさんはご主人と認知症の義母さんの世話をしながら、会社の役員として働いているだけでなく、行き場のない猫ちゃんたちを次々と引き取って、どの子も最期まで面倒をみてる人。
ここでは書ききれないくらいたくさんの苦労を背負ってきた人。
だから、とっても温かい人なんだ。

母ちゃんはちょめさんが心配になって、祈るような気持ちでメールした。
すぐにちょめさんも家族の皆さんも無事だって返事が来た。
でも、停電でTVもラジオも機能せず、携帯も通話どころか、ニュースサイトにさえ繋がらない状態だって言うんだ。だから何が起こったのか、どうなってるのかわからないんだって。
ニュースでも、北海道以外の地域の人からニュースを伝えてほしいって言ってる。

おいらはNHKニュースに釘付けになって、役に立ちそうな情報をメールしたんだけど、何度かのメールのやり取りの後、ちょめさんからの連絡が途絶えたんだ。
と同時に、札幌市の大半で電気が復旧したってニュースで言ってたから、おいらも母ちゃんもきっと大丈夫なんだろうって思ってた。
ところが翌日、まだ電気が復旧してないってメールが来た！
おいらは焦ったね。
オール電化のちょめさんの家に電気が通らなかったら、ちょめさんと家族は何を食えばいいんだ？
そうだ！この太平洋を南南東に9000km泳げばちょめさんの家に着く。
おいらがあったかいご飯を背負って泳いで届ければいいんだ！
って、おいらは考えたんだけど、さすがに母ちゃんがダメだって言うんだ。
着いた時には冷めてるよって。

さて、どうしたらいいだろうかっておいらと母ちゃんが考えているうちに、ちょめさんの家にも電気が通ったっていう連絡が今朝届いた。
よかったな。これであったかいご飯が食べられるな。

でも、まだ余震は続いているし、1週間以内に大きな地震が再来する可能性もあるらしい。
どうか、皆さんと皆さんの家族が無事でありますように。