2017年1月31日火曜日

ショックカラーの有効性と危険性


まあ、なにしろおいらは自慢じゃないけど
1歳の誕生日を迎えるまでは犬じゃなくて『悪魔』だったからさ
父ちゃんと母ちゃんはすごく悩んだんだ。

目に入るもの全てに興味津々で、何でも口に入れて確認する。
物だけでなく、他の犬や人間に対してもそうだった。
当時のおいらは既に母ちゃんより力が強かったから
興奮したおいらを母ちゃんは力で抑えることができなかったんだ。
カナダは比較的犬に寛容な社会ではあるけど
やっぱり、犬が怖いとか犬が嫌いっていう人もたくさんいるんだ。
そういう人に飛びついて、顔や体を口に入れて確認しようもんなら
すぐに警察に通報されて、おいらはSPCAに逆戻り。
「この犬に噛まれるところだった!」なんて言われちゃったら
良くて危険犬に指定され、ヘタすると殺処分になったりする。

かと言って、散歩しないわけにもいかないだろ?
だから、当時のおいらは人に会わないように深夜に散歩してたんだ。
でも、いろいろな物や人に出会って、おいらたち犬も社会的に成長するんだよな。

このまま誰にも会わずに深夜の散歩を続けてたら
この子はいつまでも社会に馴染めない

そう思った母ちゃんはおいらにショックカラーを装着させようと考えた。
母ちゃんがボタンを押すとおいらの首に電気ショックが走る首輪のことね。



母ちゃんの子供の中でダントツ一番の悪魔であるおいらに出会うまで
母ちゃんはこれを残酷だと思っていた。

こんなものを使わなければならない犬なんているわけない!

理想主義の母ちゃんは、おいらに引っ張られて顔を怪我しても、肩の靭帯を損傷しても
まだ、そう思ってた。
けど、どんなにトレーニングを重ねても
動物や人や、挙句の果てには車にまで突っ込んでいくアドレナリン分泌過剰なおいらに、セオリー通りのトレーニングでは限界があると悟ったんだ。
人間だって、のび太君とジャイアンの育て方が同じでいいわけないだろ?
たくさんの犬に接してきたSPCAの現場職員の間でMr. Troubleと語り継がれるおいらが、普通の犬に対するやり方で手なずけられると思ったら大間違いだぜ。

そんな折、母ちゃんは愛犬家の美重子おばちゃんと知り合った。
美重子おばちゃんの家のポリー君もやんちゃ過ぎて
幼犬のある一時期ショックカラーを使っていたという話を聞いたんだ。

「要は使い方で、そんなに悪いものじゃないのよ。」

おばちゃんはポリー君のショックカラーを貸してくれて
おいらはいよいよショックカラーデビューとなったんだ。

ショックカラーはボルテージが15段階に分かれていて
初め、母ちゃんは最弱の1で使ってみたんだけれど、おいらは何も感じないんだ。
2、3、4と上げていっても何も感じない。
壊れてたわけじゃないんだぜ。
犬の痛覚は人間より鈍感なんだ。
だからって、ぶったり蹴ったりしていいってことじゃないぞ。

1メモリずつボルテージを上げていって、やっとおいらが反応したのが8。
嫌だ!やめてくれ!って思うのが12。

おいらのショックカラーには電流が流れるボタンと警告音が出るボタンがあって
父ちゃんと母ちゃんは初め両方押してたんだ。
音と嫌な刺激が同時にあれば、音だけで理性に戻る日が来るかもしれないだろ?

で、これが大正解!

これを使って2、3ヶ月経ったら、音だけで理性に軌道修正できるようになったんだ。
そして、してはいけないことの見当がつくようになった。
父ちゃんと母ちゃんの目的はこれだったんだな。

これやったら、音が鳴るかな?

って思うと、おいらは父ちゃんと母ちゃんにアイコンタクトをとる。
父ちゃんと母ちゃんの目が

それはダメ

って言うと、おいらはやらない。

今でも、散歩の時にはおいらはこれをつける。
散歩に行きたくなったら、自分でショックカラーを咥えて持ってくる。
でも、使うのは音だけで電流は流れない。
お陰でおいらと同じ体重の母ちゃんでも、安全においらをリードして散歩できるし
初めての場所でも、初めて会う犬とでも、安心安全に遊べるようになって
おいらが遊べるチャンスと範囲が格段に広がったんだ。

大型犬や気性の荒い犬を飼っている人たちの多くが
ショックカラーってどうなの?有効なの?って1度は考えるだろ?


要は使い方。


犬がなぜ電流が流されたか理由がわかる状況下のみで
人が楽になるためじゃなくて、犬の幸せのために使う。

落ちているものを食べない。
人を襲わない。
他の動物を襲わない。

これが守れると、おいらたちはみんなに愛される。
結果、幸せを感じるチャンスも増える。

力づくで犬に言うことを聞かせようと思う人は、絶対に使っちゃダメだ。
愛情に基づかないショックカラーは犬にとってとてつもない凶器になるんだからな。




じゃんじゃん。






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