2016年2月17日水曜日

みんなにありがとう

まだおいらが生まれる前の201412月。

おいらの家の前の通りには20軒くらいの家が並んでいるんだけど
わずか10日間のうちに、このうちの7軒が泥棒に入られたんだって。
うちのお隣さんなんて2回もやられたんだ。

うちは幸い何もなかったんだけど
うちのはす向かいの家もやられて
それをきっかけに、その家ではCodyを迎えることにしたんだ。

今ではこの辺りは、3軒に1軒は犬を飼っていて
そのうちの半分はおいらのような大型犬。

その次の年の暮、この近所では泥棒騒ぎは1件も起こらなかった。
おいらたち犬の防犯効果ってすごいだろ?

「手間と経費もすごいけどね。」

そんなこと言うなよ、母ちゃん・・・。
おいら、肩身狭いじゃないか・・・。

「でも、防犯効果以上のものをお前はもたらしてくれたからね。」

何、何、何、それ?
おいら、何の役に立ってる?

「大きな声でお前を叱るから、腹筋がつくだろ。
いつ噛まれるか分からないから、度胸もつくだろ。」

なんだ、母ちゃん、嫌みかよ。

「まあ、聞けって。」
「散歩に連れて行くから、健康になるだろ。
散歩の途中で、いい友達がたくさんできるだろ。
そうすると、母ちゃんの英語の勉強にもなるだろ。
毎日お前を捏ねくり回すから、脳からアドレナリンがいっぱい出て
すごーく幸せな気分になるだろ。
お前の成長が嬉しくて、明日が来るのが楽しみになるだろ。
お金で買えないものを、お前はたくさん持ってきてくれているんだよ。」

まじ?

「うん、まじ。」

おいら、役に立ってる?

「すごーく、役に立ってる。」

じゃ、ちょっとだけ噛んでもいい?

「いいわけなかろうが!」

こうして、おいらは2ヶ月の時を経て
心からこの家の家族になった。



おいらがこの家に来たばかりの頃は
こんな目をしていたんだ。



ま、どんな顔をしていたって、おいらがハンサムであることには変わりないんだけど
今の顔の方が、ずっとずっとイケてるんじゃないかと、自分でも思っている。



おいらたちGSは頭がいい犬種だから、時々人間の裏をかく。

ま、ずるい犬だ。

人間が次に何をしようとしているのか
次にどんなコマンドがとんでくるのか
人間より先に分かっちまう。

単純な動作を繰り返すと、すぐに飽きちゃうし
飽きちゃったら、人間の言うことも時々無視したりする。
でも、許容範囲もちゃんとわきまえていて
ここから先は、ヤバいかも
っていう勘もちゃんと働く。

だから、人間は時に怒っていいのか、妥協していいのか悩むんだ。

GS6ヶ月って言ったら
犬換算ではティーンエイジャーなんだけど
人換算で言うと、聞き分けの良い5歳児ってところかな。
時にわがままも言うし、癇癪も起こす。

犬の躾については、いろんな人がいろんなことを言うけど
その家によって犬に求めるものが違うから
一概に「こうすべき」って言えない場面も、実際の生活の中ではいっぱい起こる。

おいらの父ちゃんと母ちゃんは
おいらが人間社会で生きていく上で、絶対に許されないことは絶対に許さない。

人間に危害を加えない。
拾い食いやテーブルの上の食べ物を盗らない。

これだけが絶対条件なんだ。
命に直接関わるからね。

あとは状況と成長に応じて、いろいろ面倒臭く要求されるんだけど
ま、特別な事情がない限りは、おいらも聞いてやるんだ。
でも、父ちゃんと母ちゃんは、おいらの事情を理解しようと努めてくれる。

例えば、無駄吠え。

おいらたちが吠える時は、おいらたちなりの理由が必ずある。
本当に無駄かどうかは、状況を確認するまで分からないだろ?
だから、父ちゃんと母ちゃんは、おいらが吠えた理由をちゃんと確認してくれる。

おいらが吠えた理由が、人間にとって取るに足らないものであれば
「大丈夫だよ。」って教えてくれる。

おいらは、これがとても嬉しい。
信用されてるなって思う。
繰り返していると、何が大事で、何が小事か、おいらにも分かってくる。

あとね、呼ばれてもすぐに行かれないこともある。

うんこしている時とか、厳しいじゃん。
不穏な気配や音に神経を集中させている時も、無理。
特に子犬の時は好奇心旺盛だから
何か面白いものを見つけちゃったときなんかも無理。

だから、そうじゃない時に呼んでね。
そして、コマンド通りに来たら、必ず褒めてね。
これがおいらたちの自信になるんだ。

簡単なことを繰り返して、褒めて、励ます。
お宅のお子さんたちと同じ公文式ってやつね。

それからね、おいらたちも生き物だから、機械になることを望まないで欲しいんだ。

人間と同じで、嫌いなものは嫌いだし
機嫌のいい時も悪い時も、体調のいい時も悪い時もある。

おいらたち、言葉がしゃべれないだろ。
でも、人間が言っていることは、人間が思っているより分かってるんだぜ。
逆に、人間は犬の言葉が分からないだろ?
分かろうとも思わないだろ?
でも、人間は人間の言葉が理解できない犬を叱るだろ?
なんか、おかしくねーか?
おいら、別に不平を言ってるわけじゃないんだ。

ただ、おいらたち犬は、人間社会で圧倒的に不利な立場で生きていかなければならないっていう現実を、ほんのちょっとだけ分かってほしいんだ。
おいらたちは、いつ何時も、人間より小さな頭で
人間を分かろうと努力しているってことを分かってほしいんだ。

みんな、おいらのつぶやきを読んでくれてありがとう。
おいらと父ちゃん、母ちゃんの格闘の記録はとりあえずここまでなんだ。
明日からは、日々の成長記録をリアルタイムで綴るから
これからも読んでもらえたら嬉しいぞ。

第1章のエンディングに改めて言いたいことがある。

おいらを助けてくれたSPCAのローレイさん。
本当に本当にありがとう。
ローレイさんがくれたセカンドチャンスをおいらは大事に生きていくよ。

おいらが今の家に来られるように力を貸してくれたあけみおばちゃん
たくさんのことを教えてくれるCodyの家族の皆さん
おいらの訪問を喜んでくれるLindaとKent
散歩の途中でおいらに優しく声をかけてくれるご近所の皆さん
おいらのことが嫌いな獣医の先生も
おいらが幸せになれるように手を貸してくれた皆さん、全員にありがとう。




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