2016年2月26日金曜日

目方でドン!


今日は晴れていたから、父ちゃんと車で海に行ったんだ。


バンクーバーの冬は、すなわち雨季。

はぁー・・・。

ってため息が漏れるくらい、毎日毎日雨が降る。
だから、こんな晴れた日はワンコ持ちにはとても貴重なんだ。

海辺にはたくさんの人と犬が来ていてさ
おいらと同じGSもいた。
おいらより全然小さいパピー。
(写真はイメージ)




おいらはお前より年上だぜ。
ってな訳で、おいらは余裕ぶちかまして堂々としていたんだ。

GSのオーナー同士って、なぜか連帯感があって、すぐに仲良くなれるんだ。
その子の父ちゃんと母ちゃんは中国人で
おいらの父ちゃんに中国語で話しかけてきた。

「お宅のGSはいい犬だね。何歳?」

「うちのは7ヶ月。お宅のGSもいい犬だね。
まだ3ヶ月くらいかな?」

「もう、4ヶ月だよ。」

「えー!うちのは4ヶ月の時、もっと大きかったなぁ。」

おいらの父ちゃんには悪気は全くない。
確かにおいらは普通のGSよりかなり大きくて
最近は周りの人から
「この犬、ジャーマンシェパードじゃなくてキングシェパードなんじゃない?」
って言われてるんだ。

その子の父ちゃんはちょっとがっかりしたようだった。

「この犬$4000したんだ。
お宅のは相当しただろう?」

「体の大きさと金額は関係ないよ。
お宅の犬も本当にいい犬じゃないか。
うちの犬は、買ったんじゃないんだ。
SPCAから引き取ってきたんだよ。」

「えーっ!?
この大きさでタダなの?
うちのはこれで$4000だよ?
お宅は得したなぁ!」

なあ、父ちゃんたち、なんか変だろ?
それって、肉屋でする会話だよな・・・。

それから、みんなに言っておくよ。
SPCAを始め、北米のほとんどの動物保護団体では
犬でも猫でも、引き取り時に規定額の寄付をするんだ。
決してタダという訳じゃない。
年齢と種類、その他の条件によって、寄付金額は異なるよ。
これは有志による団体を維持していくためと
タダだと、命の価値も0だと思って
安易に引き取って、安易に捨てちゃう人も出てくるかもしれないから
その楔なんだね。

おいらはちゃんとしたブリーダーの下で生まれ
最初の飼い主は、お金を払っておいらを買ったんだ。
でも、残念ながらおいらはそこでは幸せにはなれなくて
孤独と飢餓の恐怖から救ってくれたのがSPCAだったんだ。
きっと最初の飼い主も幸せじゃなかったんだろうな。
「犬1匹幸せになれない家で、人が幸せになれるわけがない。」
って、いつも母ちゃんが言ってるもん。

おいらたち動物をモノやアクセサリーではなく
”命”として家族に迎えたいと思ってくれるなら
お金を出して買う前に
まずは、保護された動物たちに目を向けてくれるといいな。
北米の総合里親サイトを見ると
犬だけで、常に数十万頭が暖かい家を待っているんだよね。
おいらたちは運よく保護されても、ずっとそこで暮らせるわけじゃない。
迎えてくれる家族が見つからなかったら
殺処分が待っていることも少なくない。
その現実に目をつぶらないでほしいんだ。

おいらはこれでも運が良かった方だ。
怖い顔した父ちゃんと、大和撫子とは程遠い母ちゃんだけど
ご飯と愛情はたっぷりくれる。
毎日クタクタになるほど運動もさせてくれる。
でも、時々思い出すんだよな。
SPCAで一緒だったあの子たちは、今どうしているんだろう?って。
幸せになっているといいなぁって。




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