昨年の11月、父ちゃんはお友達のヤンさんに教えてもらってワインを作った。
作っている間、わからないことがあると父ちゃんはすぐヤンさんに電話して教えてもらってた。
そのお陰で、ワイン造りが初めての父ちゃんでも美味しいワインができた。
ワインは温度、湿度、光、雑菌によって、同じ材料で作っても、全く違う味のワインができる。
ヤンさんと父ちゃんはそれぞれ自分が作ったワインを交換して飲んでみた。
母ちゃんも飲んでみた。
今年のヤンさんのワインは美味しくなかった。
味も香りも薄くて平坦なワインなんだ。
多分、醸造過程で何かがあったんだろうな。
父ちゃんと母ちゃんは
これは、牛肉の赤ワイン煮に使うしかないね。
って、話してた。
もちろん、こんな話はヤンさんには言えない。
10年ワインを作っているヤンさんだから、自分でも失敗だってわかってる。
いつもなら、自分のワインが美味しかったかどうか、しつこいくらいに尋ねるヤンさんが、今回ばかりは全く聞いてこない。
父ちゃんもヤンさんのワインについて何も言わない。
師匠のワインにケチつけるなんて10年早いもんな。
今日、ヤンさんから電話があったんだ。
ワインをストックしておく場所がないからあげるよ。
でも、ヤンさんはどうしてもあげるよって言う。
押し問答しているうちに、父ちゃんが口を滑らしちまった。
そんなに煮込み肉ばっかり食えないよ。
父ちゃんは「しまった!」って思ったんだけど、もう遅かった。
ヤンさんが黙っちゃった。
父ちゃんは今、激しく後悔と闘ってる。
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