あすなろタロー　ただいま修行中: できることとできないこと

今朝6時、父ちゃんのWeChatに着信があった。
送信主は父ちゃんと母ちゃんの古い知り合いで大恩人のCさん。
中国全人代の地区代表を務めていたほどの偉い人。
その人が昨日バンクーバーに着いて、父ちゃんと母ちゃんに会いたいっていうメッセージだったんだ。

はいはい、おいらは今日は1人でお留守番ってことね。
雨も降ってることだし、いいよ、行って来いよ。

Cさんにはバンクーバーに1人娘がいて、そこに泊まってるんだって。
今回は奥さんも同行してるって書いてあって、父ちゃんと母ちゃんはちょっと首を傾げたんだ。
だって、Cさんの奥さん、2年前に亡くなったって聞いていたから。

久しぶりに会ったCさんは70歳を超えた世間的にはおじいちゃんなんだけど、20年前から全く変わっていない上品でダンディな紳士。
同行していた女性とは最近再婚したんだって。
16歳年下のお相手はきれいで明るくて優しそうな人だったから、父ちゃんも母ちゃんも本当に良かったなって思ったんだ。
年を重ねてから奥さんに先立たれると、男性は本当に辛いもんな。

Cさん夫婦と父ちゃんと母ちゃんは、バンクーバーエリアの観光地を回って、街一番と言われる日本料理店でお寿司を食べて、父ちゃんとは35年の、母ちゃんとは20年の旧交を温めて帰って行ったんだ。

父ちゃんと母ちゃんが上海で仕事をしていた時、日本では想像できないような困った出来事がたくさんあって、そういう時にいつも助けてくれたのがCさんだったんだ。
そして、一度も見返りを求められたことがない。
そんなCさんから初めてのリクエストをもらった。

友達から頼まれたんだけど、バイ○グラが欲しいんだ。

バイ○グラはカナダでも処方薬。
闇ルートで手に入れることもできるけど、本物とは限らない。
闇ルートのバイ○グラで亡くなった人もいるんだよな。
確実に本物を手に入れるとしたら、父ちゃんが心臓かあっちの病気だって申告して処方してもらうしかないよな。でもな、薬を処方してもらうまでにいろんな検査をしなくちゃならないだろ。その検査の過程で仮病だってバレちゃうよな。
それに、他人にあげるために仮病を使って薬をもらうのは、医療費が全額国負担、薬代の大半が国負担のカナダでは詐欺罪にあたる。

Cさん、ごめんよ。
おいらの父ちゃんと母ちゃんは使えない奴らだから、もうちょっとお手柔らかなお題でお願いできるかな・・・。