母ちゃんはひょんなことから
おいらの前の飼い主の情報を入手したんだ。
と言っても、自分で探し出したわけじゃないし
情報といっても、住所と名前だけなんだけど。
悩んだ挙句、母ちゃんは仲良しの友人とその人の家を見に行ったんだ。
なんでそんなことをしたかって?
何度か書いたことだけど
おいらは生後4か月の時に
バンクーバー市からちょっと離れた誰も住んでいないマンションの1室に
餌も水も与えられずに閉じ込められてたんだ。
閉じ込められた部屋の向いの部屋にはSPCA(動物虐待防止協会)の職員が住んでいた。
これがおいらの命運を決めたんだ。
日に日においらの鳴き声が弱っていくのを不審に思ったその職員が
職権でその部屋を開けてくれたんだ。
そしたら、うんちとおしっこにまみれてガリガリに痩せたおいらが出てきたってわけ。
そしておいらはそのままSPCAに収監されたんだ。
これは動物虐待事件としてカナダの新聞にも載ったらしい。
どんな経緯で前の飼い主がそんなことをしたのかは、おいらにもわからない。
父ちゃんと母ちゃんも知らされてない。
今更知りたいとも思っていないと思うんだ。
ただ母ちゃんは思ったんだ。
どんな事情があれ、自分の家族をそんな目に遭わせた人が
また別の犬を飼っていたりしたら嫌だなって。
で、万が一その人の家を見に行って
その人が新しい犬にも酷いことをしていたら
母ちゃんは自分をセーブできる自信がなかったから
母ちゃんがカナダで最も信頼する友人に付いていってもらったんだ。
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その家はバンクーバーの住宅街の外れにあった。
いわゆるそこそこのお金持ちストリートね。
おいら、豪邸のお坊ちゃまだったんだー。
昨今のバンクーバーは異常なほど住宅の値段が上がっていて
このあたりだと、どんなに小さな家でも土地さえついていれば
日本円で2億5千万円は下らないエリア。
そして、こういうところに家を構えていれば銀行もお金貸してくれるから
他に投資用マンションを何軒か所有するなんていうのはよくあること。
母ちゃんたちはその家の周りをしばらくウロウロしていたんだけど
犬がいるどころか、人が住んでいる気配さえなかったみたいで
そのまま帰って来たんだ。
いいじゃん。そんなこと、もうどうだって。
そんな事件のお陰でおいらは父ちゃんと母ちゃんに出会えて
この家でこんな顔して笑える犬になったんだから。
おいらはもう忘れたよ。
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