豚汁警報発令中

実はCodyの家族は昨年12月の終わりから今月8日まで故郷のスリランカに帰ってたんだ。
お友達の留守をブログで公開することはできないからおいらも黙ってたんだけどさ。

スリランカからバンクーバーまで直行便はないから、ドーハ経由で片道約30時間かかる。
みんな相当疲れているんじゃないかと心配した母ちゃんが、豚汁を作って持って行ってあげたんだ。
お野菜がいっぱい入った母ちゃんの豚汁は生姜とニンニクが効いていて、父ちゃんも大好きなんだ。これは何？って聞かれて、母ちゃんはSpecial Miso Soupって答えた。
Miso Soup（味噌汁）だったらどこの国の人でも知ってるから通じるかなって思ったんだろうよ。

バンクーバーの日本食レストランで出てくる味噌汁は90％以上が業務用のインスタント味噌汁。しかも、規定量の1.5倍くらいのお湯で溶いているから、目をつぶって飲んだら日本人だってそれが味噌汁だとは気がつかない仕上がりになってるんだ。
でも外人さんたちはそれこそが味噌汁だと思っていて、そんな味噌汁もどきを一口飲んでお椀を置いて、背筋を伸ばしてふぅーっていうのが通だと思ってるんだ。

そういう人たちが家庭でちゃんと作った豚汁を食べるとどうなるか。

もー！なにコレー？？？
こんなMiso Soup初めてー。
どうやって作るのか教えてー。

ってなる。
しかも、それが伝説のMiso Soupとして近所中に知れ渡る。

次から次へと豚汁志願者が作り方を聞きにうちにやってくる。
でも、豚汁の材料の長ネギ、里芋、こんにゃく、レンコン、味噌、鰹節なんていうのは外人さんの家にはないし、自分で買ったこともないから、うちで一緒に作ることになる。
だから、うちは毎日豚汁を食べるハメになる。

作り方を教わった人たちは自分で作ってみるんだけど、自分で作る豚汁と母ちゃんの作る豚汁は味が違うって言うんだ。どうやっても母ちゃんの味にはならないって。

そりゃ、そうだよ。
うちは味噌が自家製なんだもの。
有機大豆で減塩にして作るから、味噌と麹の香りがスーパーで売っているものとは全然違うんだ。
皆さんに分けてあげられるほどの味噌はないし、また作り方教えてって言われて、毎日味噌を作るわけにもいかないし、母ちゃんは頭抱えてるんだ。

だから、おいらは母ちゃんに教えてやったんだ。
わざわざ作らなくても、おいらが毎日庭に放出してる味噌じゃダメなのか？って。

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