2018年1月6日土曜日

大型犬を飼う前に考えておいてほしいこと


おいらは2018年を迎えて数えの3歳になった。
身体もばっちり成犬で、後足で立てば165cmの身長、体重は48kgってところで、大型犬と超大型犬の境目に位置する大きさになった。


父ちゃんと母ちゃんはおいらが無事に大きくなったことを今は喜んでくれているけど、おいらは老後のことを考えると、ちょっと申し訳ない気持ちもあるんだ。

2017年中、父ちゃんと母ちゃんは引越しを考えた。
父ちゃんが年を取っていくと、家や庭の手入れが体力的に問題になってくるだろ。
コンドミニアム(日本で言うマンションね)に引っ越すと楽だよねって言ってたんだけど、母ちゃんが「待った!」をかけたんだ。

今おいらはおしっこしたくなると、父ちゃんか母ちゃんに知らせて、庭に続くドアを開けてもらって用を足す。催してから10秒で願いが叶う。
でもコンドミニアムに引っ越したら、催して、母ちゃんに知らせて、リードを付けて、ドアを出て、エレベーターに乗って降りて、コンドミニアムの敷地内を出てからやっとできる。
おいらだって年取ったらそんなに我慢できるか自信ないよ。

しかも、おいらはGSだから、他の犬に比べて股関節形成不全になりやすいだろ。年取っても自分の足で歩けるかわからない。そうなったら、毎日何度も父ちゃんと母ちゃんはおいらを抱いてエレベーターに乗って外に出なくちゃならない。これはおいらたちGSだけでなく、ラブラドールやレトリバー、ロットワイラーみたいな大型犬ほぼ全てが抱えるリスクなんだ。


おいらたち大型犬の寿命は小型犬より短い。
犬種によっては7年くらいの犬もいる。
どの犬でも大型犬の場合は7歳過ぎるとお年寄りになってくる。
つまり、ここからが本当に『家族』かどうかの分かれ道になるんだ。

これから大型犬を初めて飼おうとする人は、飼う前に1度よく考えてほしいんだ。

大型犬っていうのは、ただ体が大きいだけじゃない。

食べる量も多い。
出るものの量も多い。
シャンプーの手間も半端ない。
運動量も犬種によるけど小型犬の比じゃない。
家や人に馴染むまで時間がかかる。
なぜなら、体が大きい分、自分に自信がある。飼い主をじっくり見極めるんだ。
肝の座らない飼い主の言うことなんか聞きゃしない。
重いから、体が動かなくなった時に病院に連れて行くのがとっても大変。
人間を介護するのと変わらないと思った方がいい。
そして、良くも悪くも社会に与える影響が大きい。
おいらなんか、ただそこにいるだけで怖がられたり、嫌われたりすることもある。

つまり、飼い主の責務と負担は小型犬よりずっと重くのしかかってくる。
だから、おいらたち大型犬は小型犬に比べて、捨てられて不幸になる確率が高いんだ。


どんな犬猫でも、飼う前には少なくとも15年先まで見据えた上で飼ってほしいんだけど、特に大型犬の場合はきちんと人生設計できていないと、人も犬も不幸になる。
1歳を過ぎて「やっぱ、ダメだった」と大型犬を手放すということは、その犬を殺すことと同じ意味だと思ってほしい。
既に大きくなった大型犬に新しい飼い主が見つかる確率は人が思うよりずっと低いんだ。

おいらたち大型犬は、人間から向けられる家族としての愛情をしかと受け止める。
だから、とても頼りになるし、誰よりも信頼できるパートナーになれる。
大型犬の飼い主は、親友を自分の手で育てるという最高の経験ができるんだ。
けれど、それを放棄した時、親友の命を自分の手で潰してしまうという最悪の傷になる。

だからどうか、動物を飼う前にはよく考えてほしいんだ。
特に大型犬を飼う時にはね。






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