あすなろタロー　ただいま修行中: 大型犬天国

きょうはいい天気だった。
この時期のバンクーバーは雨ばっかりで、11月はなんと27日間雨が降ったんだ。
朝から父ちゃんと散歩に出掛け、午後はドッグランに連れて行ってもらえると思っていたのに、お昼前に父ちゃんと母ちゃんは2人で出掛けて行っちゃった。

あろうことか、おいらの美重子おばちゃんと飲茶に行くんだってよ！
おいらだって美重子おばちゃんと会いたいのにひどいじゃないか！

きっと今頃、トリュフの焼売とか、げその七味揚げとか、エビ春巻とか楽しそうに食ってるんだろうな。
まじ、ぶんむくれるおいら。

1時半ごろ父ちゃんと母ちゃんが帰って来た。
返事なんかしてやらないよ。
でも、ちょっと待てよ。
なんか、美重子おばちゃんの匂いがする。
おばちゃんちのポリー君とギャリー君の匂いもする。

うわーい！
これからみんなでドッグランに行くんだって！
おいらも連れて行ってもらえるんだって！

おいらはポリー君とギャリー君に挨拶して、おしゃべりしたんだ。

おまえらは飲茶食わしてもらったのか？

まっさかー。僕たちは駐車場でお留守番だよ。
あいつら結構食ってたよー。

ギャリー君

犬って割に合わねーよなー？

おいら（手前）とポリー君（奥）

おお！全くだぜ！

海岸沿いのドッグランは大型犬が集まるスポット。
おいらも肩身狭い思いをしなくて済む。
だって、こいつもいるんだからな。

ジェシー、おまえまじ大きくなったよな。
もう60kgくらいあるんじゃないか？
この前会った時はおいらよりちょっと大きいくらいだったのに。

→　初泳ぎした！

チベタンマスティフは中国では富の象徴になっている犬で、中国の経済発展と共に値段も上がって、ピーク時は1頭が日本円で2億円もしたんだ。
けれど、ピークが去って、供給過剰になっちまって、食肉用に回されるようになっちゃったんだよな。それを今年カナダの動物保護団体が保護してきたんだ。
ジェシーもそのうちの1頭。

チベタンマスティフは大きさもさることながら、飼い主に対する忠実度も犬の中でも群を抜いていて、他の人間には絶対に心を開かないって言われているんだけど、ジェシーは飼い主に恵まれて素晴らしい教育を受けているんだろうな。巨大な体で小さな子ともジェントルに遊べるんだ。
おいらの母ちゃんも美重子おばちゃんも目に涙を浮かべてジェシーの幸運を喜んだ。
人間の都合で生まれた命は人間の手で幸せにならなくちゃいけないよな。

おいらもポリー君も、ギャリー君も、ジェシーもみんな保護施設から生還した犬だけど、ポリー君とギャリー君はボランティアドッグとして人間に尽くしてるし、おいらもジェシーも番犬としてちゃんと役に立ってる。どの子もみんなそれぞれの父ちゃんと母ちゃんに家族として愛されてる。
そんな当たり前のことに、どうして涙が出ちゃうんだろうな？