2017年12月21日木曜日

目に見えるものなんて


カナダの家というのは概して日本より大きい。
地価がどんどん上がっていくバンクーバーでは、家もマンションもコンパクトになっていく傾向があるけど、一軒家だとベッドルーム4~6部屋というのが一般的。


おいらのお隣のお宅はベッドルームが6つある豪邸。
以前はお爺ちゃん世帯、ご主人世帯に子ども3人が住んでいたんだけど、お爺ちゃん世帯は施設に行き、子どもたち2人は結婚して家を出たから、今は夫婦と成人した息子の3人で住んでいる。

すると、お部屋が空くだろ?
そこに下宿人を入れているんだ。
下宿人の部屋にはメイン玄関を使わなくても家の脇の通路から裏に回り込んで直接出入りできるようになっている。
下宿人が使うこの通路はおいらの家との境にあって、下宿人がここを通る度においらはいろんな反応をする。


女性の下宿人だった時は甘えるし、下宿人のお友達が来ると吠えて父ちゃんと母ちゃんに知らせるって感じね。
知らされても困るって父ちゃんと母ちゃんは言うんだけど、おいらは職務に忠実なGSだからちゃんと知らせるんだ。
こういう下宿は留学生とか工事関係者が短期滞在に使うから、下宿人は3ヶ月~1年くらいのスパンで入れ替わる。
最近の下宿人は白人の若いおじさんで、この人はおいらに優しかった。
おいらの家との境を通る度に、塀越しにおいらの頭を撫でてくれたんだ。
おじさんは毎日ここを何度も通るから、おいらはいつしかおじさんに反応しなくなっていったんだ。


先々週のこと。
お隣の家の車が玄関前で車上荒らしに遭ったんだ。
警察が来て、お隣の家の隠し防犯カメラに犯人がばっちり映っていたから異例のスピード解決になったんだよ。
よかったな。

それからしばらくしてから、おいらはおじさんが通る度に吠えるようになった。
父ちゃんと母ちゃんは不思議に思ってた。
塀越しに見えるおじさんは白人で眼鏡をかけていて同じ背格好で、なんら以前と変わらないように父ちゃんと母ちゃんには見えるからな。

ホント、人間の眼ってやつはアテにならないよな。
このおじさんは、先々週までここにいた人とは違うおじさんだよ。
だって、おいらを可愛がってくれたあのおじさんはパトカーに乗せられて行っちゃったんだもん。






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