2017年12月29日金曜日

生まれ変わったら


おいらはずっと思ってた。
大人になったら、父ちゃんや母ちゃんみたいにツルツルの体になって2本足で歩くようになるんだって。
でも、一向にその気配はない。

こいつらは本当においらの父ちゃんと母ちゃんなんだろうか?
おいらはなんでここにいるんだろうか?


父ちゃんと母ちゃんが超絶可愛がっていたワンコが亡くなってから、2人とも毎日毎日泣いてた。
ドアを開けるといつもいてくれたワンコがいない。
日常だと思っていた家の匂いから、ワンコの匂いが日々薄れていく。
たったそれだけのことなのに、父ちゃんと母ちゃんは家にいることが辛くなって、2人で遠いところを1ヶ月かけて旅行してたんだ。
だけど、旅から帰って来たらやっぱり同じ悲しみが父ちゃんと母ちゃんを襲って、2人は決心したんだ。

2度と犬は飼わない

って。

家庭の掟を破るのは、大抵女の方だって相場が決まってる。
母ちゃんは父ちゃんに隠れて北米の犬の里親サイトを毎日見てた。
亡くなったワンコに似た犬が同じ大地のどこかで不幸になっていないか、毎日毎日見てた。
毎日見ていると、母ちゃんも大体わかってくる。
新しくアップロードされた犬に飼い主が見つかるかどうかってことが。
アップロードされたその日のうちに飼い主が見つかる犬もいる一方で、新しい飼い主が見つからない犬は何年経っても見つからないんだ。
アップロードされてから10日経っても飼い主が見つからない場合、大概の犬がそのまま施設で一生を終えるか、殺処分になる。


母ちゃんが毎日そうやって泣いていることを、実は父ちゃんは知っていた。
「しかたないな」は大抵男が言う言葉だって相場が決まってる。
前のワンコが亡くなって10ヶ月経った頃、父ちゃんが言ったんだ。

しかたないな。
また、犬を家族に迎えようか?

母ちゃんはものすごく喜んだ。
どの子を迎えようか里親サイトを見ていたら、ふと母ちゃんは考えちゃったんだ。

自分は今命を選別してるんじゃないか?って。

考えてみたら、母ちゃんはどんな犬でもよかったんだ。
大きな犬でも小さな犬でも、年取った犬でも、障碍のある犬でも、温かい体温を感じられる犬ならどの子でも。
父ちゃんは、最愛の犬を亡くしたばかりで、飼ってもまたすぐに同じ苦しみを味わうのは耐えられないから、若い犬がいいって思ってた。

それで、父ちゃんと母ちゃんは、自分たちが選ぶんじゃなくって運命に任せようって思ったらしい。
明日の朝このサイトを開いた時に、バンクーバーエリアの一番最初に載っていた犬を家族にしようって。

で、見事に貧乏くじを引いたのがおいらだったってワケだ。

この写真でサイトデビューしたんだ

こうしておいらはこの家で3回目の冬を迎えてる。
父ちゃんと母ちゃんがあの朝あのサイトを見てくれてなかったら、
サイトを見る時間が1時間ズレていたら、
やっぱり明日にしよう!なんてことになっていたら、
おいらは今ここにいないんだよな。

もっといい飼い主の元に行ってたかもしれないし、もっととんでもないところに行ってたかもしれない。
人生って賭けだよな。
って言っても、おいらたちが希望して賭けるわけじゃなく、賭けるのは常にツルツルの体で2本足で歩く人間の方で、おいらたちはその賭けに従うしかない。
改めて考えてみると怖いことだよな。

次はツルツルの体に生まれてきたいってつくづく思うよ。






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