おいらの家は車の通りが多い交差点からちょっと入ったところにある。
何年か前の冬の夕方、ここで交通事故があったんだって。
車が急ブレーキをかける音がして、母ちゃんが外に出てみたら、黒い服を着た女の人が倒れていて、近くに紺のような黒のような傘が落ちてた。その女の人の回りを黒くて小さな犬がウロウロしながら鳴いていたんだって。
おいらの住むバンクーバーはもうすっかり冬。
日本よりも北極に近いから、冬は1日の3/4が薄暗くて、午後3時になると陽が陰り、4時半はもう夜だ。
おまけにバンクーバーの冬は雨期だから、どこの父ちゃんと母ちゃんもワンコのお散歩に苦労する季節なんだ。
バンクーバーはダウンタウンや大きなショッピングモールの近くなら、夜でも街灯があちこちにあって視界に困らないんだけど、おいらの家の周りのような住宅地になると、夜は家の明かりと信号機以外に明り取りができない、なんていうのも珍しくないんだよな。
バンクーバーの歩行者用信号機っていうのはちょっと日本と違ってて、旧式のものだとオレンジ色の明かりが光るだけで音もしない。
光に気がつかないドライバーもいるし、気がついても歩行者がいないと思えば減速せずに通り過ぎることもある。霧が深い時には全く見えないこともあるからとても危ないんだ。
薄暗い夕方、黒い服装、紺色の傘、連れている犬は黒い犬。
ドライバーにとっては透明人間と同じなんだ。
闇夜のカラスってやつだな。
とっても危ないだろ?
これはカナダだけじゃないと思う。
だいぶ昔の日本でのこと。おいらの母ちゃんは原付で大学に通っていたんだけど、紺色の学生服を着た女子高生に結構な勢いで追突しちゃったことがある。やっぱり薄暗い夕方だった。
母ちゃんには全く見えなかったんだ。
母ちゃんも女子高生もびっくりして、母ちゃんは平謝りに謝って、病院に行こうって言ったんだけど、女子高生は「大丈夫、大丈夫」って走って行っちゃったんだ。
新手の誘拐と思われたのかもしれないよな。
だからおいらと散歩に行く時の母ちゃんは鮮やかな色のジャケットを着ていく。
そりゃあもう、すっごく明るい蛍光色の黄緑色で100m先からでも人が歩いてるってわかるようなやつ。
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(2017/11/30 14:21時点) 感想(0件) |
確かに安全なんだけどさ、交通整理のおばさんみたいで、一緒に歩くおいらはちょっと恥ずかしいんだw
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