父ちゃんだってやるんだぜ

オリビアとおいらが母の日に母ちゃんを労って、皆さんに「偉いねー」って言われて焦った人がいる。
そう、父ちゃんだ。

父ちゃんは母の日はもちろん、母ちゃんの誕生日だってちゃんと祝ったことがない。
何でかって言うと、父ちゃんの誕生日と母ちゃんの誕生日と結婚記念日が全部10月の中にあるんだ。だから、おいらのうちではこの3つをまとめて『なんでもかんでもおめでとうの日』にしてるんだ。
けど、母の日は盲点だった＞＜

で、父ちゃんは急遽今日、買い物がてら母ちゃんを連れてアメリカにドライブに行くことにしたんだ。

ちょっと脱線するけど、カナダから陸路でアメリカに入る時は、もちろんパスポートの提示が必要なんだけど、おいらの母ちゃんのパスポートには大きな問題があるんだ。

母ちゃんは2年前にバンクーバーでパスポートを更新したんだけど、ちょうどその時父ちゃんの体の具合がすごく悪かったんだ。
で、何となくここで家族の写真を撮っておこうよってことになって、近所の写真館に行ったんだ。父ちゃんと母ちゃんは日本の一般的な写真館のようなところでオーソドックスな夫婦の肖像を撮るつもりだったんだけど・・・。

父ちゃんと母ちゃんが予約した写真館には、18カットの写真でアルバム1冊とパネル2つ、パスポート用の写真もサービスしてくれて$700（56000円）っていうサービスパックがあって、結婚式場で頼むアルバムだって1冊10万円くらいするんだから、これはお得だって飛びついたんだ。
で、予約した日に写真館に行ったら、TV用のメイクさんが宝塚張りのメイクをしてくれて、髪もマリーアントワネット風にクリンクリンにセットしてくれて、もちろん途中からこれは何か変だぞって思ったんだけど、好奇心の方が先に立っちゃって、父ちゃんは何が何だかわからずにハラハラしてるのに、母ちゃんは「もっとやってー」状態。

なんと！
2時間後の母ちゃんは、すげーよ！
父ちゃんと出会った頃の母ちゃんになってたんだ！！！

そうなんだよ。ここは普通の写真館じゃなくて、変身写真館。みんな盛り盛りで撮るんだ。
で、そんな盛り盛り写真でパスポートを更新しちゃった母ちゃん。
国際線の飛行機に乗る時はもちろん、ちょっとアメリカまで買い物に行く時でさえ、ヅカメイクをしないと通関を通過できないんだ。
因みに、パスポートの有効期限はあと8年。
ごくろうさんだよなー。

因みにこれがカナダとアメリカの陸路にある西海岸最大のボーダー。
Peace Archって言うだけあって、世界で最も平和な国境線って言われてるんだ。

ボーダーの西側は海だ。
今日は潮が引いてるから、カニがたくさん獲れそうだな。

パスポートさえ持っていれば、そして母ちゃんの場合はお化粧もちゃんとしていれば、ここは簡単に通過できる。
ボーダーを越えると、こんな感じのハイウェイが延々と続く。
今日は青空と雨雲が喧嘩しているな。

この道はどこまで続くかっていうと、カナダからアメリカ、途中道の名前は変わりながらも、メキシコまで続いているんだ。北へ行くほど安全で、南下するほどデンジャラスになっていくハイウェイなんだ。

父ちゃんと母ちゃんはBellinghamという街でハイウェイを降りて買い物をする。
緑が多い穏やかな田舎町だ。

Trader Joe'sというアメリカ西海岸にしかないオーガニックスーパーで、肉製品とチーズとコーヒーを買って、コストコで卵とガソリンを買う。

買い物が終わるとまたハイウェイに戻って、更に80km南下する。
Seattleのちょっと手前にTulalip Resortというカジノとホテルとアウトレットモールの複合施設があるんだ。

ここのカジノで思いっきり遊ぶ！なんてことはおいらの父ちゃんと母ちゃんには残念ながらないんだ。
このカジノの中には有名なバフェレストランがあってね、火曜日はシーフードバフェなんだ。
海老・蟹・牡蠣その他海鮮料理が食べ放題！

とりあえず父ちゃんが盛り付けた第一ラウンドがこれ。
もちろんサラダバー、デザートも食べ放題。
ドリンクは別料金だけどお一人様税込み$27（為替によって2500~3000円）は破格と言える内容。
バンクーバーにはそもそもバフェが少なくて、特にこんなにコスパのいいバフェは見たことない、って母ちゃんが言ってた。すごく美味しいかと言えば、んんん・・・なんだけど、なんか雰囲気で美味しくなっちゃう気がするんだってさ。

女って、まじちょろいよな。
って、父ちゃんが思ったかどうかはおいらは知らない。

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