2019年2月16日土曜日

美味しいワインができるまで 2 発酵促進とフレーバー添加編


これまでのワイン製造記録
→ 美味しいワインができるまで 1 発酵準備編


おいらの4日前のレポートでは、ぶどうジュースに酵母を入れて毎日かき混ぜること2週間。すると、ジュースの比重が1.040~1.050になると書いた。
夏の仕込みなら3日くらいでジュースの比重が1.040~1.050になることもあるんだけど、雪が降った後の放射冷却で部屋も寒くなってるから、2週間くらいかかると思ったんだ。

ところが、今朝父ちゃんがジュースの比重を測るとなんと1.010~1.015になっちゃってる!

なんで?

で、父ちゃんがジュースの温度を測ったら24℃もあった。
ああ、そういうことか。

カナダの家の多くは温度センサー式の床暖房になってる。
おいらの家もそう。
寒くなれば、センサーが作動して自動的に室温が上がる。
しかも、床から熱が出てくるんだ。
床に直接置いておいたジュースが、雪が降って俄然張り切って仕事しちゃった床暖房の熱で温まっちゃったんだ。

で、とにかく基準値を大きく上回っちゃったジュースをどうにかしなくちゃならない。

どうすんだよ?

酵母がぶどう糖を分解して、アルコールと炭酸ガスが発生するのはみんなも理科で習ったよな。
おいらもワンワン小学校で習ったぞ!
つまりアルコールと炭酸ガスがたくさん発生するほど比重が低くなり、ぶどうジュースから甘味がなくなっていくんだ。
ぶどうジュースの比重が1.010~1.015になると大体アルコール分11%くらいって言われてる。
あらら、もうほとんど完成品のアルコール分だよ。
比重計からアルコール度数を求める計算は、元の果汁の種類、初期発酵の段階か最終発酵の段階かで異なってくるから、おいらも正確にはわからない。
でもね、比重が1.080以上だった時のぶどうジュースに比べたら、比重が1.010~1.015の現在のジュースは確かに甘味がなくなっているんだ。

本当なのだ!

ここですることは

① イーストフードを投入して発酵を促進させる。

イーストフードっていうのは、酵母の糖分解活動を活性化させるための食品添加物。
内容は、塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム(無水)、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素ニアンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸―水素力ルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸三カルシウム、焼成カルシウムという面々だ。

50ccの水で溶いてから入れるんだよ

イーストフードを入れた途端に酵母が活性化して溢れ出すことがあるから注意だ

ここでおいらは言っておくよ。
現代のワインは、市販のものであっても、自家製であっても、必ず複数の食品添加物が入っている。
じゃあ、オーガニックワインや無添加ワインはどうなのよ?って話になる。
オーガニックワインっていうのは、原料のぶどうがオーガニック栽培されているものを言う。製造過程で投入される添加物についてはノータッチの表示。
無添加ワインっていうのは、定義が複雑だから簡単に言うと、添加物を表示しなくていい程度しか使っていないワインのこと。例えば、製造過程でメーカーは直接添加物を入れていないけど、使っている半製品の材料にはちゃんと入っていて、その添加物が総量にして表示義務規定以下の場合ね。

じゃあ、添加物が存在しない古代のワインはどうやって作ったのよ?って思うよな。
ここは思っとくんだよ。それが大人ってもんだ。
添加物がない昔は、松脂や海水を添加物として使っていたんだ。
しょっぱいワイン飲みたいですか?

おいらは遠慮させていただきます

これについては追々書いていくけど、早い話、今の技術では、添加物を全く使わないで現代のワインはできないんじゃないかとおいらは思うんだ。

父ちゃんのワイン作りの師匠のヤンさんが、昨年作ったワインが飲めないほどに不味かった。
その理由は、完全無添加で作ってみたからだったんだ。

→ 父ちゃんの失言


② 好みのフレーバーを添加する。

香りに深みを添えるオークチップや干しぶどう、胡椒、コーヒー豆などをここで投入する。
今回のPetite Syrah(プティシラー)はかなり濃厚な赤ワイン。
フルボディ中のフルボディだから、香りも骨太にするためにオークチップを23ℓに対して30g投入した。
オークチップって何?って思ったそこの奥さん。
恥ずかしがらなくていい。
オーク(楢の木)のチップだよ。

これを入れると樽で熟成させた香りが出る

オークチップは途中で完全に取り出さないといけないから、だしパックに二重にして入れるんだ。


白ワインのSauvignon Blanc(ソーヴィニヨンブラン)とGewϋrztraminer(ゲヴュルツトラミネール)には何もフレーバーを足さなかった。

はい、今日はここまで。








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4 件のコメント:

  1. えたばりゅです(^^♪
    いや~・・・ワインや他の加工食品もそうですが、
    僕たちの知らないところでビックリするような変化を起こしてるんですねΣ(・□・;)

    これも自然の一部・・・いや~・・・本当にすごいものですよね(*´ω`*)

    ワンワン小学校・・・( *´艸`)タロークンカワイスギル

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    1. 人類が何千年もかけて改良してきた『酒』は作ってみるととても面白いです。古代ワインは現代のワインとは全く違ったもののようで、時代ごとに様々な工夫をしてきたことがわかります。
      これからも科学の進歩に伴い、作り方や嗜好も変わっていくのでしょうね。

      ワンワン小学校をぶっちぎりの成績で中退したタローは、今日も元気です(^^)/

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  2. 昔の〇〇は美味しかったっていって、実際に食べてみるとマズかったりするからね(^▽^;) 私たちはいいも悪いも無添加にはもどれないのかもしれない(゚∇゚ ; )
    私の知識はワンワン小学校にも劣ると気づいた今日このころ・・・

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    1. 現代の生活は流通と保存という課題をクリアしないとならないから、どうしても添加物に支えられるよね。うちは添加物に頼る部分をできるだけ『冷凍保存』に置き換えてるけど、ワインばかりはそうはいかないもんねぇ(ノД`)・゜・。

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