2017年6月13日火曜日

スカンクと闘うと・・・


今年もそろそろアイツと対決する季節になってきた。

日本語では『スカンクのおなら』というけれど、あれはおならではなくて肛門嚢から噴射される分泌液なんだ。
だから英語ではスカンクにスプレーされるって表現するんだ。

日本では滅多に見ないスカンクだけど、バンクーバーの住宅地には毎夜毎夜出没するおなじみの野生動物。

「スカンク フリー素材」の画像検索結果

その強烈な臭いのせいで、どちらかというとキワの部類に入るスカンクだけど、実際に目の前に現れると、とても可愛くて美しい動物なんだ。
おいらの家の近所に現れるスカンクは、大きいものになるとビーグル犬くらいの大きさになる。だから、小型犬だと普通は怖がって近づかないんだけど、大型犬にとっては十分勝てると思っちゃう大きさ。
だから、去年のおいらは戦いを挑んで完敗を喫したんだ。
しかも、2回。

『臭い』の代表格になってるスカンクの分泌液。
確かに強烈な臭いなんだけど、嗅いだことがない人が想像する臭いとはちょっと違うと思うよ。排泄物系の臭いじゃなくて、極度に濃い草の臭いというか、タイヤが焦げた臭いというか、そんな感じの臭いなんだ。
けど、その臭いの強さと言ったら、そりゃあもう尋常じゃない強さだ。風に飛ばされ、2km先まで届く臭さなんだぜ。

去年おいらがスプレーされた時、家の中に臭いが充満して他人を家に招くことができないほど臭くなったんだ。しかも、持続力も絶大。毎日毎日消臭剤を家中に噴霧しても1ヶ月は臭いが取れない。洋服に着いたら臭いが完全に取れるのはほぼ不可能。クリーニング屋さんも引き受けてはくれないから捨てるしかない。
毎日毎日「臭いねー」って言いながら暮らすこと1ヶ月。
やっと臭いが取れてきたかなーって安心した頃、おいらもう1度スカンクに戦いを挑んじゃったんだ。
父ちゃんと母ちゃんは言葉がなかったな。
ま、青春の甘い思い出ってやつだ。



けどね、スカンクの分泌液の怖いところは実は臭いじゃないんだ。
奴らの命中精度はかなり高くて、分泌液が目に入ってそのままにしておくと失明するし、皮膚に付着すると皮膚を溶かしちゃうんだ。
まさに生物兵器なんだよな。

だから、父ちゃんはおいらを毎日毎日シャンプーして、目の中まで水で洗われちゃったんだ。
スカンクの臭いは普通のシャンプーなんかじゃ全く太刀打ちできない。
よく、スカンク臭にはトマトジュースがいいとか言うけど、あれは北米で最も有名な都市伝説で、効果なんかほとんどない。
じゃあ、何で洗ったらいいんだよ?

日本でもたまにスカンクにスプレーされちゃうケースがあるらしいし、海外で見てくれている皆さんのためにも念のために書いておくね。

北米ではスカンクの臭い取専用のシャンプーがあって、それで洗うといいんだけど、すぐ手元にない場合は(普通は手元にない)オキシドール:重曹を100:5の割合で混ぜたものでスプレーされた部分を湿らせ、1/3に薄めた食器洗い用洗剤でシャンプーするんだ。
オキシドールの代わりに酢(ホワイトビネガー)でもいい。
臭いが取れるまでこれで1日おきにシャンプーするんだぞ。毎日これを使うと刺激が強すぎるから、普通のシャンプーと1日交替くらいがいいと思うよ。

科学的にはこれが一番効くらしい。市販の専用シャンプーも大体こういうフォーミュラだ。
ただね・・・毛はバリバリになって脱色されちゃうし、皮膚もガサガサになる。
それでも皮膚が溶けちゃうよりはマシだし、家も早く社会復帰できる。



時々、Youtubeで飼い犬とスカンクを戦わせる動画をアップしてるあんぽんたんがいるけど、絶対にそんなことしちゃダメだ。
スプレーが目に入れば前述の通り失明の危険性があるし、スカンクと戦って一見犬が勝ったとしても、スカンクはアライグマと並んで優秀な狂犬病キャリアだ。例え狂犬病ワクチンを打っていても、噛まれたら結構な確率で狂犬病、もしくは狂犬病キャリアになるって獣医が言ってたぞ。狂犬病ワクチンは万能薬じゃない。24時間以内に獣医に連れて行ってほしい。

自分がやったら危ないと思うことは犬にもさせるんじゃねーよ!





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